ひょっとすると,国鉄の分割民営化直後からそうだったのではないか。当初は,たぶん,本業からスピンアウトした(させられた)元鉄道マンの仕事を作るために始めたのかもしれなかった。
● で,正直に申すと,あまり旨いとは言いがたかった。中には,駅ホームの立ち食い蕎麦よりはいいよという人もいたけれど。
立ち食い蕎麦っていうのは,駅のアナウンスとか,列車が入ってくる音とか,ホームの雑踏とか,そうした諸々の雑音(?)に囲まれてササッと食べるから旨いのかもしれない。
静かなところで食べるものじゃないよなと思ったりもした。
● 不味い,と悪態をついているお客を目撃したこともある。爺さんだったけどね。もう来ない,と捨て台詞を吐いて出ていった。
こちらはまだ食べている最中だったんだけどね。
● で,何度か,経営者が変わったようだ。そのどれもがあまりお客には受け入れられなかった。ぼくもあまり行かなくなった。
乾麺を使っているのかと思うこともあった。乾麺ではゆで時間が長くなりすぎて光熱水費が跳ねあがるだろう。乾麺を使えるのは一般家庭に限られるはずだと思いながらも,ひょっとしてこれ乾麺? みたいな。
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「いろり庵きらく」の板そば |
ひとつには格安感が出たこと。大衆相手の店ならば,これは大事なところだ。いや,大衆じゃないセレブでもあっても,格安感が嫌いな人はあまりいないでしょうね。
● もうひとつは味だ。ぼくは,「きらく」の蕎麦は旨いと思っているんですよ。
もっとも,「藪」とか「更級」といった店はぼくの世界には存在しない。東京に出たおりに最も利用するのは「富士そば」だからね。
そういうやつに旨いと言われても,素直には喜べないかもしれないけれども,それでも「きらく」の蕎麦は旨いと言っておこう。
● そう思うのはぼくだけではない証拠が,以前よりも,「きらく」になってから明らかにお客が増えている。
麺類のお客は,やはり宇都宮駅ビルにできた「丸亀製麺」がごっそりかき集めた感があったけれども,そのベクトルの向きを変えたのが「いろり庵きらく」。
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