2019年3月14日木曜日

2019.03.14 大衆化

● 職場の同僚が宇都宮市に新しくオープンしたジムに行くようになった。24時間営業。利用者(会員)には鍵が渡されるらしい。
 月額7千円で利用できるんだそうだ。その代わり,トレーナーは常駐していない(いる時間帯もあるらしい)。そんなに安いのかと驚いた。

● 上三川には公営のジムがあるんだそうだ。日額350円で利用できる。すごいな,上三川。日産のおかげだろうけどね。
 ジムっていうのは貴族のものだと思っていた。運動のための運動ができる時間を持てるのは貴族。ジムの会員になるのもそういう人で,したがって会費も月に数万円はするものだ,と。

● 昔はそうだったらしい。が,今はそうじゃない。大衆化しているのだね。ジムに限らない。何でも大衆化している。
 牛肉も昔はお金持ちしか食べられなかったものだしさ。ビフテキなんていう言葉があった頃。それが今はどうだ。焼肉だのしゃぶしゃぶだの,食べ放題まである。安い料金で食べたいだけ食べられる。輸入自由化の恩恵といえばそれまでだけど,とにかく庶民でも食べたいときに食べたいだけ食べられるものになった。
 寿司もそうだ。これは回転寿司に象徴される。ありがたがる食べものではもはやない。

● クラシック音楽のコンサートもそうだ。かつてはヨーロッパの貴族の娯楽だった。日本でもつい最近までは深窓の令嬢的なイメージがあった。
 ホールの数が増えて,アマチュアオーケストラの活動が活発になったゆえかとも思われるのだけども,ともかくクラシック音楽はすっかり大衆化した。聴くのも大衆なら演奏するのも大衆だ。

● 以前,雑誌(『GOETHE』だったと思う)で読んだのだが,郷ひろみはパークハイアットのジムの会員になっているらしい。こういうジムだと,入会金が2百万円で,保証金が3百万円で,年会費が百万円くらいになるようだ。
 多くは法人会員の利用になっているのだろうけど,これがなかなか入会できなくて,キャンセル待ちになっているのだとか。

● 5つ星レストランと街の大衆食堂の違いが,こうした分野にも(というか,どんな分野にも)ある。大枚を積まなければ食べられない牛肉もあるわけだし,回転寿司がいくら増えても,銀座の「久兵衛」がなくなったわけではない。
 大衆化というのは,大衆化する以前の状態のままで拡散するわけではない。大衆化に相応しい形になって拡散する。それに乗るのを潔しとしない人たちの居場所はきちんと用意されている。

● しかし,サプライヤーとすれば,少数の貴族を相手に高額品を商っているより,大衆相手の薄利(?)多売の方が儲けるチャンスは多いだろう。高級ホテルよりカプセルホテルの方が儲けが大きい。
 大衆化には乗ってみるものだと思う。大衆は金離れもいいし,商売しやすいのではないか。まったくの素人の感想だが。

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