● 昨夜,帰りの車の中でNHK-FMの「夜のプレイリスト」を聴いていたら,植木等が歌う「花と小父さん」が流れてきて(これが2回目だ。ひょっとすると再放送だったかも)。何だか泣きそうになってさ。
浜口庫之助の歌詞が何でもないようでいて,いいよねぇ。よく思いつくよなぁ。
● どこがいいかっていうと,第一に中年男の潜在願望をうまく掴んで言葉にしたことだ。「小父さん,あなたは優しい人ね」なんて言う“花”なんかいないわけだよね。まして,「私を摘んでお家に連れてって」なんていうのはさ。
あったらいいなぁという,市井の小市民の願望はわかりやすく存在するけれども,それを野の花に託して,上手に言語化したよね。
● 第二に,完結した物語に仕立ててあること。自己主張しない“花”が主人公だ。しかも,“小父さん”もとてもいい人だ。美しいストーリーに仕上がるのだ。
第三に,乙女願望も掬い取っていることだ。「どうせ短い,私の命」という儚さへの誘惑。いつかはオバサンになってしまう。乙女でいられるのはほんの束の間だ。乙女は儚いものだ。
しかも,オバサンになっても,女性はどこかに乙女を隠し持っているらしい。“儚い私”への憧憬があるらしい。そう見えるときがある。
● というわけだから,男にも女にも刺さる歌詞だ。といっても,男により多く刺さるだろう。
YouTubeをあたってみたら,植木等が歌ってるのは見つからなくて,その代わり,西田敏行&安倍なつみのと畠田理恵のがあって(他にもいくつかあったけど),この2つを何度も聴いた。安倍なつみ,年を取ってもかなりいいなぁ。でも,やっぱり植木等で聴きたくてさ。Amazonだと250円で買えるんだな。
たぶん,いっときの熱で,明日になればもう聴かないだろうなと思うんだけどね。
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