2019年8月18日日曜日

2019.08.18 Hotto Mottoののり弁を買って考えた

● 南宇都宮で東武線を降りて,近くのHotto Motto富士見通り店でのり弁を買った。食べたかったんですよ,これ。いや,昔からよくお世話になっていたんだけど,最近,食べてなかったのでね。
 明保野公園のベンチに座って,蚊にくわれながら食べた。価値ある300円ですな。ありがとうございましたと言われると恐縮する。こちらが言うべきこと。

● で,考えた。日本の伝統的な食事というのは,いかにしてご飯をたくさん食べるかという一点でできあがっているのだな。
 おにぎりが典型的にそうなのだけど,弁当にもそれが残っている。のり弁は特にそうだ。

● もうひとつ。これを300円で売っているのだから,アルバイトの時給を上げるのは難しい。と言って,値上げは怖い。競合他社にはコンビニも入っている。
 それがつまりデフレということで,これをして日本は貧しくなったという人もいる。のだが,日本はデフレの先頭ランナーで,これから欧米諸国が日本の後を追うことになるのかもしれぬ。

● どうなんだろうね。Hotto Motto ののり弁もそうだし,吉野家の牛丼が380円で食べられるのは,いわゆる先進国の中では日本くらいのものではないか。今の日本では所得がさほど多くなくても旨いものが食べられる。
 実際,給料はなかなか上がらない。しかし,これを貧しいというのだろうか。

● 民主党政権の時代,1ドルが80円になった。あの円高の時代,日本の製造業の賃金はアメリカの2倍と言われたのではなかったか。
 どういう理由によるものかぼくには理解できないのだが,アベノミクスで円が安くなった。一時は120円まで行った。為替レートで比較すれば,それだけで日本の賃金水準は3分の2になった。

● しかも,デフレは変わらない。輸入価格は1.5倍になる計算だけども,それを転嫁するなど間違ってもできない相談だ。そんなことをしたら,自分が倒れてしまう。市場から退場を宣告される。
 経営者は歯を食いしばって合理化に努め,働く人も賃上げは諦める。コスト増を製品価格に反映させることができない以上,そうならざるを得ない。

● そうして,今の380円の牛丼があるのだ。これでどうして日本は貧しくなるのだ?
 iPhoneは香港で買うより日本で買った方が割安になるそうだ。日本製の文房具も欧州で買うと日本よりだいぶ高くなるらしい。つまり,日本は物価の安い国になったのだ。デフレのせいで(デフレのおかげで)。
 訪日外国人が増えているのは,その理由の9割は日本に値頃感があるからだ。自国で稼いで日本で使うと,お金の価値を実感できる。かつて,日本人が思っていたことだ。
 しかし,“物価の安い国=貧しい国”なのかどうか。しかも,ここは為替で変わる。

● もうひとつ。7月以降の日韓経済対立だ。これを見ていると,話にならないほどの大差がある。韓国のこれ以上はないという稚拙な対応も大きく効いているとは思うんだけども,日本経済の底力をまざまざと感じる。
 これで日本が貧しくなったと言われると,ちょっと待てと言いたくなる。が,経済力の底の深さにこれだけの差があるにもかかわらず,日韓の国民の暮らしにはそんなに差はないようにも見える。日本は自身の経済力をどういうわけだか,国民に還元できていないようにも見える。

0 件のコメント:

コメントを投稿