● お金を使ってする趣味がほぼない。ゴルフもしない。釣りも凝るとかなりお金がかかりそうだが,その釣りもしない。総じてアウトドアに興味がない。スキーにも行ったことがない。行きたいと思ったこともない。
唯一,自転車には凝ったことがあるのだけど(自転車は運動神経に関係なく楽しめるから),昨年5月に事故っちゃって,それ以来,相方に自転車を取りあげられたままになっている。そこを押しのけてまで自転車に乗るほどの入れ込みはない(ただ,いずれはお許しが出るのではないかと期待はしている)。
● オーディオ趣味も入れあげれば家1軒分をつぎ込むのは簡単だと言われるけれども,ぼくはウォークマンしか持っていない。ミニコンポすら持っていないのだ。それ以前は音楽もスマホで聴いていた。ウォークマンすらなかった。
バランス感覚がありすぎるというかな,破綻を極端に怖れるというか,入れ込むとかハマるとか,そういうのと相性があまり良くない。
人生には無駄も必要だと言われると,では必要な無駄だけ淡々とこなしていきましょう,という発想をしてしまう方だ(と思っている)。要するに,自分で言うのもなんだけど,ほんとにつまらない男だ。
● 洋服とかお洒落とか,どこの世界の話だと思っている。グルメにもあまり興味がない。基本,炊きたてご飯と納豆か生卵があればいい方だ。
つまり,あまりお金がかからない体質だ。年金だけで老後を過ごすのは無理で,2千万円の金融資産が必要だと騒がれたが,それってどこの国の話なんだ。ぼく一個は年金だけでやっていける自信がある。毎月,いくらか貯金もできるだろう。
● というわけだから,東京のホテルで週末を過ごすのは,ほとんど唯一の楽しみというわけだ。大目に見てほしいのだ。
ぼく以上にそれを楽しみにしているのが相方で,宿泊の手配や支払は彼女が一手に引き受けてくれている。
だから,ホテルのスタッフがぼくに声をかけることはない。とても楽だ。
● お金もそんなにない。日本橋だったらマンダリンオリエンタルがある。けど,これはもう高嶺の花。
泊まってみたいホテルはほかにもある。ペニンシュラ,リッツカールトン,アマン,パークハイアット,グランドハイアット・・・・・・。帝国ホテルにも泊まってみたい。あと,東京ステーションホテル。が,なかなか厳しい。
● ぼくらが泊まるのはロイヤルパークということになっている。コスパ優先という言い方は,ロイヤルパークには大変失礼になる響きがあるんだよね。
このホテルはとてもいい。スタッフの対応に不満を覚えたことは一度もない。1階のシンフォニーで食事をすれば,このホテルの食水準の高さも了解すると思う。上にあげたホテルと比べて遜色があるとは思えない(それらのホテルに泊まったことがないので,確言はできないわけね)。
● 本当はね,ホテルは5割なんだよね。あとの5割は東京だ。東京に行くのが5割。ぼくは東京好き。どの街もいいと思う。とり澄ました感が満載の赤坂や広尾だってけっこう楽しいよ。
移動してると,ハレとケがめまぐるしく入れ替わるのが実感される。わずかな距離しか動いていないのにガラッと空気が変わる感。それが東京の面白さだと思っていて,その面白さも味わえるときに味わっておこうと思っている。
● 世に京都フリークは多いと思う。が,京都に関しては,呼ばれる人と呼ばれない人がいると思っている。人が京都を選ぶんじゃなくて,京都が人を選んで呼ぶ。どうもそんな感じがする。
京都にある大学に行く人は,若くして京都に呼ばれた人なのだと思う。ぼくも何度か京都を訪れたことはあるんだけれども,ついに京都に呼ばれなかったことを自覚する。
それゆえの東京好きなのか,東京好きだから京都にフラれたのか,そのあたりは判然としない。基本,京都の格が自分には合わないのだと思っているが。東京は,その点,気安いのだ。
● ま,そういうことはどうでもいい。同じホテルにしばしば泊まるが,泊まり方が上達(?)することはない。毎回,同じだ。
まずはラウンジで飲んで,そして酔っ払う。さて,問題はこの後なんだが。
● 今回は人形町に出かける余力が残った。兎屋でラーメン大盛り。980円。死ぬのかと思うくらいに胃がパンパンになる。
カウンター席しかなく,10人も入れば満席になるこの店に,1人で来ている女性客がいる。20時過ぎの時間帯ね。
そうした女性客,たいていかっこよくて見とれちゃうんだよね。チラチラ見ちゃう。40に近い30代かなぁ。独身で1人暮らしをしている。仕事帰りなんでしょう。家に帰って作るのも面倒だし,明日も仕事で早いんだし・・・・・・かどうかは知らないけれど,一生懸命の人生という感じがするんですよ。
● 兎屋からラウンジに直行。水。水は兎屋でもたくさん飲んでるんだけどね。とにかく,水。でもって,寝る。
ぼくは兎屋の女性客と違って,いたって気楽なものだ。しかし,この歳になって過去を振り返ってみると,ストレスで甲状腺を切ったこともあるし,朝から強い酒を入れないと出勤できなかった数年間があるし,それで家族にあたってしまったこともあるし,ろくな人生ではなかったような気がする。
豆腐メンタルで自分より弱い者にあたる。最低のパターン。相方はよく愛想を尽かさなかったものだと思う。
● では彼女には感謝しかないかというと,これが意外にそうでもない。このあたりは複雑に絡みついた糸みたいなもので,なかなか割り切れない。
割り切れないものを無理に割り切ろうとしないで,割り切れないまま脳内に飼っておく。若いときは,それが大事かもしれない。脳を強くするには,その方がいい。
が,歳を取ったら,割り切れないことに負けないことが大事かもね。無理に割り切ることはないってところは若い頃と同じだけれども,割り切れないことに囚われないというかなぁ。割り切れないことを忘れるというか。
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ご飯の盛り方が男っぽくて申しわけない |
ほんでもって,“朝食 The 人形町”に軌道修正。
● ラウンジのスタッフに,美人なのに美人を活かしていない人が若干1名いてね。ひょっとして,自分が美人であることに気づいていないんだろうか。
って,大きなお世話かなぁ。何とか気がついてほしいんだがなぁ。
● 東京シティエアターミナルもホテルから(雨の日でも)濡れずに行ける。1階が羽田行きのバス,3階が成田行きのバスの乗場になっている。それだけなのか。搭乗手続きもここでできたりはしないのか。
探してみたけど,それらしき施設はなかった。
ま,ぼくがここを使うことはまずもってないと思うんだけど。しかし,朝に着く便で帰国して,すぐさま札幌とか福岡に飛ばなければならないお忙氏には,便利かねぇ。ロイヤルパークホテルをベースキャンプ,東京シティエアターミナルを起着点にして,国内外を飛び回る。
って,そんな生活はできないし,したくもないね。ほとんどの人はそう思うだろう。そんなことはやりたいヤツにやらせておけ。
● 今回の部屋は1608号室。部屋から隅田川が見える。海はちょっとでも見えると,気分が変わるけど,川はそうでもないね。やはり近くに行かないと。
部屋の風呂に浸かって,ベッドでうたた寝。最高の贅沢だ。ということは,贅沢なんてそもそも知れたものなのかもな。この程度のことって,家にいてもできるもんね。
家でもできることをホテルでもやるっていうのが,つまり同じことを場所を変えてやるっていうのが,贅沢の本質なのかも。旨いものを食べるとか,高そうな調度品に囲まれるとか,誰かにかしずかれるとか,そんなことじゃなくて。
● ラウンジでチェックアウト。また来週,来る予定だが。
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