● 知り合いの64歳の男性は富士通が出した“らくらくスマートフォン”の初代機を使っている。ほかに電子辞書も使用中。
自宅ではもちろんパソコンを使っている。有線テレビ会社とブロードバンドを契約。ITは苦手でね,と尻込みするタイプではないとお見受けできる。
● この“らくらくスマートフォン”は最初から入っているアプリしか使えない。自分で好きなアプリをインストールすることができない。
彼なら,普通のスマホの方がいいのではないかと思うので,そのことを申しあげると,いや,とても使いこなせませんよ,とおっしゃる。
● 通話とメールと地図,この3つが使えれば充分ですから,と。あと,電車通勤をしているので車内でニュースが読めればいい。それは,彼のスマホでもできるわけだ。
● 使いこなすとはどういうことか。スマホにたくさんアプリを入れて,始終使っていることか。ブログをスマホから更新することか。SNSで何かを発信することか。
スマホでできることは無数といっていいほどにある。無数と言っては言い過ぎならば,アプリの数だけある。
● スマホでできることに自分を合わせるのではなく,自分に合わせて無数の中からいくつかを選べばいい。この4つで充分ならば,彼は立派にスマホを使いこなせているということだろう。
右往左往しないで見事な割りきりを見せていると思える。ユーザーはすべからくこうありたいものだ。
● 翻って,それでは若い人たちがスマホをどう使っているかといえば,どうもたいしたことには使っていない(と思う)。
彼らにとっては,メールに代わってLINEが絶対のアプリだろうけれども,そのLINEで何をやりとりしているのかといえば,たぶん愚にもつかない四方山話だろう。
● 楽しいコミュニケーションの真骨頂は愚にもつかないところにあるから,それで何が悪いわけでもない。悪いわけではないが,せいぜいそんなものだ。
中高年が,若い人はたいしたものだ,自分は彼らのようには使いこなせない,と思うのは間違いだ。彼らはたんにスマホに触れている時間が長いだけである。
● 1日は誰にとっても24時間しかないのだから,スマホに触れている時間が長ければ,その分,他の何かをしている時間は減っているはずだ。
ひょっとしたら,女性の取り扱いは昔の若者よりも下手になっているかもしれないぞ。そうそう引け目を感じることもあるまいと思う。
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