2016年10月20日木曜日

2016.10.14 サムスンの蹉跌

今日の読売新聞
● Galaxy Noteを初めて出たとき,ぼくは買わなかったが,豚児は飛びついた。それを見たときの感想は,どうしてこれが日本のメーカーから出なかったのか,だった。なぜ日本のメーカーはこういうものを作れなかったのかと思った。

● 経済のグローバル化が言われだした頃,経営はスピードが命とも言われだした。スピードが大事だ,と。
 日本企業は意思決定に時間がかかりすぎる。これでは世界で戦えない。いずれ新興国の後塵を拝することになるだろう。
 そのとおりであった。しかし,そのとおりではなかった。

● サムスンに限らず,韓国企業の意思決定はたしかに速いようだ。トップダウンの経路に障害物がないのが理由のひとつかもしれない。トップの決定を吟味する仕組みがない。
 ドラマや映画を作るスピードも相当速いらしい。これは,ケンチャナ精神のゆえもあると思う。もういいんじゃない,この辺で,っていうような。気にしなくていいよ,っていう。

● しかし,今回のような拙速も発生する。いや,これは拙速で片づけてはいけない問題なのかもしれない。それ以前にあってはならない何かがサムスンにはあるのかもしれない。
 Galaxy Noteは飛行機に持ちこめない。このあと,Galaxy Noteを継続するにしても,デザインを変えないわけにはいかないだろう。競合他社に何点のオウンゴールを与えたことになるだろう。

● サムスンがこの先,どうなるのか。日本のソニーやシャープ,パナソニック,NECがサムスンよりひと足早く倒産し,サムスンが吸収するのじゃないかと予想した人も多かったのではないか。
 シャープはともかく,ソニーやパナソニックはしぶとく残っている。サムスンが先に倒産してしまうかもしれない。それをソニーやパナソニックが吸収することはあるまいが。

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