2016年10月20日木曜日

2016.10.19 韓国の就活対策

● 左は今日(10月19日)の読売新聞。「韓国政府は,優秀な韓国人学生を海外企業へ就職させる取り組みに乗り出している」とある。
 韓国内にある海外企業ではなくて,海外にある企業に就職させるということだろう。

● こういうのにわりと抵抗ないんだね,韓国って。
 韓国では大学生の就職がかなり厳しいらしい。サムスンや現代,ロッテなどの財閥企業に就職できる人はそんなにいない。背に腹は代えられないということだろうか。

● 日本政府がこういうことを言いだすことは絶対に(といっていいと思う)ないだろう。政府が音頭を取って,アメリカや東南アジアの企業に就職できるように語学や異文化理解の講座を開設して,大学を卒業する学生に対して,受講を勧めるというようなことはね。
 そんなことをすれば,政府が国民を売るのかと非難されそうだ。

● 日本はヨーロッパや韓国,中国に比べて,求職状況は恵まれているから,そんなことをする必要もないわけだけれども,仮に国内に失業者が溢れるようになっても,そういうことはしないような気がする。
 かつて,日本も集団移民を企て,多くの国民をアメリカや南米に送りこんだことがあった。体のいい棄民だったのかもしれない。

● 日本人は内向きだとよく言われる。滅多なことで日本を離れたがらないし,離れてもいずれは帰国することが前提だ。彼の地に骨を埋めるというわけにはなかなか参らない。
 それだけの吸引力を日本という国家は持っているということだろうか。日本の柔らかい自然や風土の故だろうか。

● その点,韓国人は腰が軽いようでもある。お国柄の違いか。ベトナムや中東に多くの韓国人が出稼ぎに出ていたのはそんなに昔のことではない。
 出稼ぎなどしないで,生まれたところで働いて暮らせれば,それに越したことはないんだろうけれど,そういうこととは別に,フットワークが軽いという印象があるなぁ。

● 中国人とかインド人も同じ印象。こういうフットワークの軽い国の住人には共通項があるように思う。それは何かというと,現地に溶けこもう,現地の一員になろうという発想があまりないことだ。
 そうではなくて,どこに行っても自国でやっていたことをそのまま移植しようとする。リトルコリアができる。したがって,基本的には現地からは排斥されやすくなる。

● 日本人の腰が重いのは,行った先に溶けこまなくてはならないと思っているからかもしれない。そこで良き市民にならなくちゃ,と。彼の地の歴史や住民の気質をよく知り,それに自分を合わせないといけないと思っている。
 そうだとすると,国を越えた移動はたしかに気重なことになるだろうな。できれば避けて通りたい。

● ともあれ。日本でも進歩的文化人を自称する人は,韓国のやり方を是とするのだろう。国境は低くなっている。これからさらにそうなる。どんどん海外に目を向けるべきだ。ということだよね。
 ただ,それを政府が言っていいのか。国民を食わせるのが政府の仕事ではないか。それを最初から外国にやってもらおうという発想はどうなのか。

● 企業の方は,社員の国籍なんてどうでもいいだろうね。優秀な人材を雇いたい。多国籍展開している企業ならば尚更だ。その代表はユニクロだと思うが。
 これからの日本人は,こうした外国の優秀な人たちとも渡り合っていかなければならない。

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