● 日本人は神前で結婚式を挙げ,クリスマスを祝い,お寺で死ぬ,という言われ方をするわけだけども,この言い方には気をつけなければいけないところがある。
そのひとつは,人によって濃淡があるということだ。日本人と一括りにすること自体に,かなり以上の無理がある。
● たとえば,今夜,クリスマス的な(=いつもと違う)過ごし方をする人はどのくらいいるんだろうか。
わが家ではまったく普段と同じだ。ケーキも食べないし,七面鳥も食べない。ツリーも飾っていない。
おそらく,うちも同じだという人たちが多数派ではないだろうか。つまり,クリスマスを祝う日本人は少数だ。
● クリスマスというのは商戦に利用されるものであって(したがって,それに乗る人も一定数はいる),大方の日本人の生活にはクリスマスは入り込んでいない。
だから,クリスマスだからといって,浮足立つ必要はないよね。
● もっとも,クリスマスに限らず,大晦日も年越しそばを食べてるどころじゃないとか,正月も仕事で休めないという人もいるだろう(最近,やっと揺り戻す動きが出てきたようだけど)。社会が習俗行事を殺しているという部分もある。
● 一方にイブを楽しむ人がいるなら,楽しませる側の人が必ず他方にいる。
クリスマス商戦に参戦する人たちは,今日はかき入れ時だ。休んでいる場合じゃない。夕方,宇都宮駅に行ったら,改札口の近くに,コージーコーナーやモスバーガーのスタッフが出店をだして,懸命に声を出していた。そういう人たちはもちろんのこと,デパートやスーパーだって消費増に期待をかけるだろう。
電車やバスは通常どおり,夜明け前から夜更けまで運転されている。ホテルがクリスマス・イブは営業しないなんて聞いたことがない。そうした人たちが楽しむ人たちを支えている。
● 要するに,クリスマスだからといって,浮き足立てる人は少ないように思える。少ないから目立つのかな。
駅にしばらくたたずんでいたんだけど,いつもと同じように感じた。クリスマス・イブって何のこと? と思ってしまうような。
● ちなみに,ぼくは,今までの人生で年越しそばを食べたのは数えるほどしかないし,雑煮を食べないまま3ヶ日を過ごすこともさほどに珍しいことじゃない。
自分は特別なのだとは思わない方がいい。自分がそうだということは,それが普通なのだ。案外,昔から盆も正月もないというのが実態だったのかもしれないよね。
0 件のコメント:
コメントを投稿