2018年1月28日日曜日

2018.01.28 個人情報に関するリアルとネットの乖離

● 今,世間で最も厳しく守られているのは,個人情報だと思うんですよ。それは個人情報なのでお答えできません,って。
 でもさ,一方でFacebookでは本人が自分の個人情報を公開しているわけですよ。実名と顔写真をはじめ,出身地や居住地,誕生日から学歴まで公開してる。

● 投稿を読めば,仕事や趣味もわかる。好みの食べ物やどこで買い物してるかまでわかる。交友関係はもちろん,家族構成も収入も推測できる。もっというと,性格や仕事への熱意もおおよそわかる。
 ぼくでもその程度はわかるんだから、見る人が見れば,丸裸にできるよ。

● たとえば,ぼくについて言えば,以下のようなことはすぐにわかるはずだ。

 毎朝,出勤途中にコンビニに寄って,その日の昼食を買っているんだな。あまり食を重んじてはいないヤツだな。けっこう外食してるけど,ラーメンばっかりだ。やはり食を軽んじてるな。
 土日は休めているようだ。さほど忙しい仕事はしてないんだな。Facebookの投稿もけっこう早い時間帯にやっているから残業もあまりしてないようだしな。
 Facebookは2016年に始めているのか。年齢を考えてもかなり遅い方だ。新しいものにすぐに飛びつくタイプではなさそうだな。
 ほほぉ,音楽が好きなのか。そこにつけいれば,何かの売り込みに使えるかもしれんぞ。
夫婦だけの二人暮らしか。ペットの話は出てこないんだが,どうだ,このあたりから何か攻め口はないか。

● ま,ぼくのようなパンピーについて,いちいち分析を試みるような暇人はいないだろうけど,これじゃさ,個人情報の保護なんて言ってみたって,何の意味もないよね。本人が進んで公開しているわけだから。

● 個人情報に関するリアルとネットの甚だしい乖離。情報発信というと聞こえはいいけれども,それはそのまま自分を曝けだす行為でもあることへの無防備性。
 困ったことに,投稿はしていなくても,Facebookを開設していながら投稿していないというそのことが,何事かを雄弁に語ってしまう。

● リアルとネットのどちらに本音はあるんだろうか。おそらくネットの方でしょう。
 個人情報の保護なんて,人々はほんとに望んでいるんだろうか,ってことだよね。セールスの電話がウザいから,電話帳に自分の電話番号は載せないでくれ,といった程度のものじゃない?
 なんかさ,やる必要のないことを多額の税金を使ってやっているような気もするんだよねぇ。

● いや,リアルでも無防備な分野がある。ポイントカードを作っている人は相当いると思う。これなんか,100円につき1円の割引と引換に個人情報をそっくり売り渡しているようなものだ。クレジットカードもしかり。
 まともな会社なら“悪用”はしないだろう。ビッグデータの1粒になるだけだ。おそらく,具体的な問題になる事例は少ないだろう。が,個人情報を差し出していることには違いない。

● 結局,本人が同意していればいいわけで,その同意がないのに公開してしまうのがいけない,というのが着地点になる。あたりまえすぎる結論。
 したがって,個人情報の漏洩が問題になるのは,主に市役所や町役場などの公共セクターになる。とすると,現時点できちんと棲み分けはできているということか。

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