2018年4月6日金曜日

2018.04.06 藤井六段の凄み

● 右は今日の朝日新聞。
 三段の頃は当然,中学生。中学生にして,ここまで深いメタ認知を,自分に対して発動できることに驚く。早熟というのとはちょっと違う。
 卑近な例になるけれども,受験勉強に関してこれができたら,よほどのバカでもない限り,東大くらい受かるぞ。ところがどっこい,このメタ認知ができないんだよ。少なくとも,ぼくはできなかったよ。全然できなかった。
 ん? メタ認知ができないヤツをバカというのか。

● 右は3月26日の読売新聞。
 詰将棋を解くことを推奨していたのは故米長邦雄永世棋聖。自身も若いころに,伊藤宗看「将棋無双」,伊藤看寿「将棋図巧」を解いたという。
 600手を超える長手順の詰将棋を頭の中で解いていくのだから,畏れいる。小さい頃から鍛えれば,人間の脳はそこまでのことをやってのけるのだねぇ。

● 藤井六段,その詰将棋でも棋界第一。
 ちなみに,ぼくは5手詰でお手上げだ。考える気になるのは3手詰まで。

● ほぼ間違いなく,近い将来にタイトルを取り,将棋界の顔になるのだろう(いや,もうなっているか)。
 しかし,問題はある。その頃まで将棋人気が維持されているかどうか。というより,日本将棋連盟というプロ棋士の組織が存続しているかどうか。
 でも,まぁ,仮にプロ棋士という職業が成立しなくなったとしても,藤井六段ほどの人ならば,どんな世界でもやっていけるだろう。そういうプロ棋士は,藤井六段のほかにも,多数いるのじゃなかろうかと思う。

● そのうえで言うんだけど,詰め将棋は典型的にコンピュータの領域だろう。人間はどうやってもコンピュータには適うまい。
 それは,コンピュータが得意なもの(典型的には記憶)はコンピュータに任せておいて,人間はコンピュータにできないことに特化すべきだ,と言われるのと同じ地平にあるものではないだろうか。
 もっとも,記憶をすっかりコンピュータに任せてしまうと,コンピュータができないことをできる人間にはなれないような気がするけどね。

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