● 相方と東京に泊まるときは,だいたい竹芝のインターコンチネンタル東京ベイになる。というより,このホテルに泊まりたいから東京に行くのだというのが実態に近い。
このホテルも大晦日や元日はなかなか空きがないだろうし,したがって安い宿泊プランがでない。が,2日になると様相が変わる。
● ちなみに,このあたりも相方の専権事項で,ネットを探索するのも,予約を入れるのも,ぜんぶ相方がやっている。支払いも相方のカードを使う(しかし,わが家は夫婦の財布はひとつたるべしという,昔ながらの流儀を通している。そのひとつの財布を管理しているのは,ぼくじゃないってこと)。
ホテルのスタッフがとまどうことがある。ぼくを相手にすればいいのか相方を相手にすればいいのか。が,すぐに事情を呑みこんでくれて,ぼくは相手にされなくなる。
● 今回は20階の角部屋(2021号室)。レインボーブリッジも隅田川も見える。ベランダが付いているが,鍵が内側からも開かないようになっていて,ベランダに出ることはできない。
窓に面した一画に机が設えている。こんなにスッキリしたデスクがわが家にもあればなぁ。わが家にも書斎はあるんだけど,物置になっているんだわ。もうずっと。なぜかって使わないからだ。だったらこういうデスクも要らないか。
● 浴室も外に面した壁面は窓になっている。風呂からもリバービュー。景色をみながら入浴できる。レギュラールームの浴室より広いようだ。
これをガイドブックの写真で見たら,クッダラネーナーと思うに違いない。が,リアルに見るとけっこういいなと思ってしまう。ミーハーなんだな。すぐに飽きてしまうかもしれないんだけどね。
● 料金は44,500円。これが高いか安いかといえば,かなり安いと思う。2人分の料金なのだし,ラウンジの利用料も含まれているのだ。
バブルの頃の料金体系が頭に残っているのか,これでこの値段なら安いと思ってしまうのだ。
● そのラウンジで飲む。ハイボールを3杯。さすがに肴に炭水化物は選ばず。贅沢しとりますな。しかし,以下のような状況がある。
ラウンジを利用するには,20階以上のクラブフロアに宿泊するか,(ラウンジに空きがあれば)宿泊代金に1万円を追加すればいい(2人で泊まる場合も1万円)。
ラウンジでは時間帯によって酒を飲めたり夕食,朝食もここでOKだ。つまり,このラウンジはかなり格安なのだ。お得感が高いのだ。
しかも,以前はカクテルなどの飲物中心で,1杯ずつスタッフに注文する方式だったのだけど,現在はセルフ。なので,誰はばかることなく好きなだけ飲み食いできるのだ。気を遣わなくてすむから。
● というわけなので,ありていに申して,お金のないヤツがラウンジに来る。おまえが言うな,という話だけれど。
お金持ちの宿泊客はラウンジではなく,ホテル内のレストランで食事をしていると思う。
しかも,今日はラウンジが満員だということだ。普段は来ない人たちが来ているということだ。あとで,どれだけ偉くなったのだ,お前は,と自分に突っこんでおくので,この場はこの言い方をご容赦願いたい。
● 案の定で,今夜はあまり見たくない光景が展開しているテーブルがあった。トランプカードに興じている家族連れがいたのだ。そういうお里が知れるようなことをなぜわざわざやる必要があるのか。
ラウンジはいうなら公共空間であって,自宅の居間ではない。そんなものは部屋でやったらよい。なにゆえ,ラウンジでやらなければならない?
他の人は食事をしている。トランプカードで遊ばれたのでは埃が立つ。
● しかも,混んでいるのだ。空くのを待っている人もいるかもしれない。空いている席がないというのは見ればわかるはずだ。
食事がすんだらサッサと退散すべきなのが,この場合のものの道理だ。トランプカードなどでテーブルの占有を続けていてはいけない。そんなことにも気づかないほど,周りが見えていないのだ。
なぜ周りが見えないのか。おそらく舞いあがってしまっているからだろう。経験不足のなせる業だろう。
● どう,うちの子,可愛いでしょ,っていうのを見せたいのかもしれない。一家団欒の幸せを自慢したいのかもしれない。
ならば言っておかなくてはならない。どんな親でもわが子は可愛い。が,他人に映るわが子は,ただの小汚い騒音製造機にすぎないことくらい,知っておくがいい。誰もあなた方の団欒になど関心はないということも。
● ほかにも,シャンパングラスに並々と注ぐ人。知人の悪口で盛りあがっている人。
このラウンジが(自分を勘定に入れ忘れた言い方で申しわけないのだが)落語に出てくる長屋に思えてきた。
● ここを敷衍して考えると,ラウンジでトランプカードに興じるというのは,パソコンを持ちこむのと紙一重の違いしかないのかもしれない。公共の空間で私事に没頭するというのは,その私事が何であれ,あまりみっともいいものではないのかも。
電車の中のパソコンも同じか。そこまで行ってしまうと,電車の中の読書もそうなのかと,際限のないことになってしまうわけだが。
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