相方を誘ってみるんだけど,どうも色よい返事をしない。ぼくが初めて「登竜」に来たときは,相方に連れて来てもらったのだったが。
● そのときに,ぼくには「登竜」の良さがわからなくて,そのことを相方に伝えているんだけど,せっかく連れてきてやったのにその反応かよ,というのが尾を引いていたわけではないと思う。
ともあれ,じつは昨日,相方と二人で来ているのだ。相方は味噌ラーメン,ぼくは醤油ラーメンを食べた。
相方がここに来たのは少なくとも10年ぶり以上のはずだ。
そこに相方がやってきて,彼女はチャーハンを注文した。3分の1はぼくが食べた。次に味噌ラーメンを頼んだ。こちらは3分の2をぼくが食べた。
「登竜」の味噌ラーメンには“トッピングなし”というのがある。チャーシューと卵は入ってないよ,という意味なんだけど,野菜はどっさり入っている。
● 鋭角的に旨いのではない。エッジが立った旨さというのではない。が,ジンワリと旨い。シミジミと旨い。したがって,飽きが来ない。
できあがった料理につまらない主張がない。皆さんにここを味わっていただきたいんですよ,という押しつけがましさがない。大衆中華の王道を行ってる感じ。
● 地元から圧倒的な支持を集める。曜日を問わず,時間帯を問わず,いつ行ってもお客さんがいる。
若い女性が逞しい食欲を見せる。独居老人とおぼしき高齢者が定食を完食する。それがどうしたと言われると困るんだけど,こういうのって他ではあまり見ない光景のように思うのだ。
● 相当儲かっているだろうから,ベンツを乗り回すだの女遊びをするだの,そんなことをしたければいくらでもできるんだろうけど,店主は毎日,厨房に立っているのではないか。
一方で,ここから暖簾を分けてもらって独立した「登竜」がいくつかあったけれど,現在まで残っているのはあまりない。
● じつは相方が久しく足を向けなかったのは,別の「登竜」であまり芳しからぬ経験をしたからのようなのだった。
スープがぬるかったとか,そういうことだったようだ。
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