● 新宿はぼくにとっては迷路のようなものだ。必ず迷子になる。現在地を失認する。
新宿駅構内でも迷子になるくらいだから,新宿はぼくにとっては鬼門というか,あまり近づきたくないところだ。新宿を自在に泳ぎまわれるほど,都会に慣れていない。
● 新宿がどうして迷路になるかといえば,新宿の変化の速さが,ぼくのような田舎者の感覚をはるかに超えているからでしょうね。
自分の中の新宿っていうのは,10年前かひょっとすると20年前の新宿なんだよなぁ。それで今の新宿を判断しちゃうから迷子になるんでしょう。
● 東京はアジアの他の都市とは異質だと思う。大阪にはアジアの気配を感じることがあるけれど,東京にそれはない。
たとえば,ソウルの明洞は東京でいえば銀座にあたると言われるけれど,銀座と明洞では視覚的にも場の空気という点でも,共通点はほどんどない。明洞に似たエリアを日本国内に見つけるとすれば,大阪の通天閣があるあたり,浪速区や天王寺区になるのではないか。
● その中で新宿だけはアジアのカオスを残しているように思う。東京で最もアジア的色彩の強いエリアが新宿だ。
その新宿で2時間ちょっとを過ごした。っていうか,歩いた。今日はこちらから迷子になってやろうと思った。徹底的に迷子になってやれと思って,路地から路地へとさまよってみたんだけど,そうするとどうやっても駅に出てしまう。
どういうわけのものだろう。なろうとして迷子になるのは難しい。
● 高島屋に紛れこんでしまった。1階は化粧品とブランド品の売場。ぼくがいてはいけないエリアだ。早々に立ち去ったんだけど,化粧品の匂いにむせそうになった。
どこぞの店で休んでもいいと思うんだけど,だいたいは中に入っていけない。自分が入れる店は次の3つしかないことをあらためて自覚した。パソコンショップと文具店と書店だ。
● が,文具店と書店には遭遇せず。パソコンショップはいくらでもあったけど,パソコンショップで買いたいものはない。パソコンなんて5年は使えるし,ネットで買ってしまうことが多い。
以前と違って衝動買いしたくなるようなモノもなくなった。パソコンがごく普通の商品に成り下がったせいでもあるだろう。
買う気のないお客は店員にもわかると思うので,あまりしばしば出かけても申しわけない。
● 歩くと地理が頭に入るのは間違いない。今度は新宿駅の構内を時間をかけて歩いてみたい。
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