● 世界の銀座。っていうか,中華の銀座になっていたと思うんだけど,最近は中国語が聞こえなくなっている。中国人が減った。
正直に言う。これ,かなりありがたい。銀座を銀座たらしめている多くの商業施設では,売上げに響いて大変かもしれない。だけど,中国語が聞こえてこない銀座は歩きやすい。
● 夜の銀座を特徴づけるものは,ソシアルビルに入居している飲み屋(銀座ではクラブとも言われている)の看板群と中央通りのネオンだ。前者については,自分が何らかの関わりを持つことはないと思っているので,後者に惹かれる。
新宿でも池袋でも渋谷でもない銀座のネオン。もちろん,圧倒的な華やぎがあるわけだけれども,どこかホッとさせるものがある。
● ただ,これでホッとするのは,ぼくが部外者だからだろう。この街を住み処にしている人はそんなにいないだろうけど,仕事場が銀座だという人はたくさんいる。
そういう人たちにとっては,ひょっとしたらこのネオンは忌まわしいものかもしれない。
● この街には黄金週間など関係ない。仕事が終わって飲んできたとおぼしき男女のグループがいる。普段と変わりない。
ここで働く人たちの多くにとっては,黄金週間はかき入れ時だろう。金融機関に勤める人たちくらいではないか。黄金週間は銀座にいないというのは。
● これって銀座に限らない。都市では人が休むときに,休んでいる人たちを相手に稼ぐというパターンが多くなる。対人サービスを業とする以上,そういうことになる。
ぼくも近くのホテルに泊まっているわけだが,ホテルはこの時期が稼ぎどき。鉄道やバス会社,旅行代理店もそうだ。警察もそうだね。
田舎は田舎で,この時期に田植えをすることが多いから,黄金週間を満喫できる人っていうのは,工場労働者と対人サービスを業としない会社や役所に勤めている人たちに限られる。
● その割合ってどのくらいなんだろう。帰省ラッシュやUターンラッシュが報じられるけれど,それを演出している人たちで全国民のどのくらいいるんだろうなぁ。意外に少ないんじゃないかとも思うんだけど。
銀座を歩いていると,そんなことを考える。
● 3丁目まで歩いて新橋に戻る。SL広場で体育座りをして,たむろっている人たちを眺めていると,1時間でも2時間でも過ごせそうだ。昼間の夏さながらのジリジリするような暑さが遠のいて,ちょうどいい気温とかすかな風があったせいもある。
若者たちが多いね,ここは。やはり黄金週間なんて関係ない風情だな。
● 心休まる雑踏だ。新橋の空気はいいなぁ。飾り気がないというか,律儀に普通に生きている人たちが,少しだけハメを外して盛りあがっているという感じがねぇ。
結婚式の二次会の帰りなのか,これからキャバクラに出勤するのかわからない格好で歩いている4人組の女性がいる。こういうのも光景に溶けこんでいる。悪くない。
ホテルのラウンジで飲んでいるより,この辺の飲み屋で一杯やりたいものだ。たぶん,ホテルで飲むより旨さを感じるに違いない。
● ついでに,次は竹芝桟橋の待合室。出港を待つ人たちでそれなりの賑わい。
外人が数人,自転車の輪行袋を抱えた若者がやはり数人いたけれど,ほとんどは島に帰る人たちだろう。
そう思って彼らの顔つきや所作を見たところで,彼らに特有の何かが見つかるわけでもないんだが。
0 件のコメント:
コメントを投稿