それもいいんだけど,やってみたいことがあった。それが何かと申せば,新木場から曳舟まで明治通りを歩いてみようかな,ということなんですけど。そこに何があるんですかと言われると,答えに窮する。特に名所旧跡があるわけではなさそうだ。が,名所旧跡なるものにさほどに興味があるわけでもない。
● 自分のような田舎者にとっては,東京はどこでも面白い。歩いたことがあるエリアはまだまだ少ない。特に下町といわれるエリアに疎い。疎いから何か問題でも,となれば,別にさしたる問題はない。
けど,まぁ,行ってみようかなぁ,と。
● 東武電車の盲腸線もある。曳舟~亀戸を走る電車。それにも乗ってみたい。わざわざ乗るのでなければ乗る機会がない電車だから。
新木場駅 |
駅を出れば,そこは夢の島。ゴミを埋め立てているのに夢の島とはこれいかに,って言われたのは,ぼくが小学生の頃。ここからスタート。夢の島は緑の島だ。
● 夢の島大橋から砂町運河を眺める。葛西臨海公園の観覧車が見える。その先はTDR。
行かなくなったな,TDR。息子が小さかったときは年パスホルダーだったんだが。
倉庫街 |
物流センターが集まっている。要するに,倉庫街。歩いてて楽しいところではない。っていうか,平日のこの時間に歩いている人なんかほぼいない。
歩道脇に植栽されているツツジが満開。どこからか飛んできた,外来種の野アザミも。これは雑草という分類でよろしいか。
● 永代通りが見えてきた。倉庫街はここで終わって,永代通りの先には高層アパートがいくつも建っている。普通の街らしくなる。
地下鉄東西線の東陽町駅はこの近く。そこから錦糸町まで四つ目通りを歩いたことがある。今日はこのまま明治通りを行くことにする。
● このあたり,南砂と申す。「だんじょうばし」とあ
だんじょうばし |
志演尊空神社。何て読むんだろ。たぶん,明治通りはこの神社の境内を削って,拡幅されたんじゃないのかねぇ。
志演尊空神社 |
● 小名木川。元々の形はとどめていない。人工運河の趣だ。その小名木川を越
小名木川 |
● 西大島駅(都営新宿線)のすぐそばの風景。道路(新大橋通り)を挟んで羅漢寺が立つ。
このあたりで少し休みた
くなった。が,休むという踏ん切りがつかない。このまま歩き続けることにする。大げさにいえば,遭難しやすいタイプだな,オレ。
● 亀戸の中心街に近づいてきた。五之橋。上には首都高が走っている。
西大島駅の近く |
ただし,ここまでの印象をいうと,地方都市を歩いているような気分だ。宇都宮の大通りを歩いているのとさほど違わないような。
五之橋 |
亀戸は大都会 |
亀戸香取神社がある。風格のある神社だ。貴重な空間といっていいだろう。こういうものを根こそぎ取っ払うってことはしないよね,日本人は。っていうか,たぶん日本人に限らないんでし
香取神社 |
● 福神橋を渡ると,これより墨田区。江東区を縦断したってこってすな。
これより墨田区 |
● このあたりが向島か。向島っていう地名は,どことなく郷愁をかき立てる。このエリアを歩いてみようと思ったのも,向島という地名に惹かれたからでもある。
昔のたたずまいが残っているのじゃないか,時間がとまったような風景があるのじゃないか。しかし,東京ですからね。そういうことはあり得ない。東京じゃなくたって,ないやなぁ。
向島 |
● 京成曳舟駅を過ぎると,国道6号と交差。ここで新木場から辿ってきた明治通りを歩く旅(?)も終了。なんだかな,膝から下がジンジンしびれているぞ。歳かな。
6号線と交差する |
玉ノ井もある。こちらは永井荷風「墨東綺譚」で有名。滝田ゆう「寺島町奇譚」の舞台でもある。はるか昔に「墨東綺譚」は岩波文庫で,「寺島町奇譚」は旺文社文庫で読んだ。
● せっかく来たんだから,かつての色街跡を見ておきたい。とりあえず,東武鉄道の東向島駅(かつては玉ノ井駅)に行ってみた。
「粋いき通り」というから,このあたりがかつての色街かと思ったんだけど,この先,「いろは通り」がそうらしい。
でも,何となく「粋いき通り」で気がすんでしまった。「鳩の街」もここからほど近いんだけど,それもいいかな,と。通りや建物の様子は,先達(?)がネットに上げてくれているし。
ぼくの興味の度合いはその程度のものだったらしい。3時間歩いて,疲れ気味だし。
● 売春防止法が施行される前に自分が壮年期だったら,こういうところに出入りしたろうか。この体たらくだと,たぶん行かなかったでしょうね。
何というのか,身も心も小市民なんだよねぇ。自分でもイヤになるほど。
東武 亀戸線の電車 |
盲腸線とはいえ,2両編成のワンマン運転ながら,10分起きに発着している。トロトロ運転でも電車は速い。あっという間に亀戸に着いた。
● はい。以上でミッション終了。ここからはJRで帰ることにしましょ。
その前に駅前の「リンガーハット」で遅い昼食。皿うどん。600円(+税)。長崎で食べた皿うどんはわりと鮮やかな色彩だった記憶があるんだけど,こんなものだったんだろうか。
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