● 内田 樹さんは『下流志向』で,“自分探し”にはまる人は自己評価と外部評価が一致しない人だと指摘している。自己評価に比して外部評価が低い人だ,と。
だから今いるところを離れて,外部評価をリセットしようとするのが“自分探し”の正体だ,と。
● 説得力があるというより,事実を指摘しているだけだけれど,自分にもその性癖があることを認めざるを得ない。
自分の思うような評価を外部から受けている人は少数だろうから,多くの人には“自分探し”に墜ちる素地があるといっていいだろう。
● こんなブログを書いているのもその現れかもしれない。少なくとも,仕事とは別の土俵を作りたいと思っているのは間違いない。
ただし,ぼくのブログは何かを創作しているわけではない。傍観者として,音楽,読書,文具に接して,傍観者としての感想を書いているだけだ。
自分で演奏するわけではないし,物語を紡ぐわけではないし,文具を開発するわけではない。自分以外の当事者がいることを前提にしている。
● ここが自分の場所なのか。そうだとすると,傍観者なら傍観者でいいから,もっと自身の肺腑を抉るような接し方をしなければいけない。
それをしないで,ここが自分の居場所だと決めてしまうのは,ぬるま湯に浸って何もしないでいることが自分の人生だと決めることになってしまう。
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