2016年12月14日水曜日

2016.12.10 鎌倉でシラス丼

● 鎌倉に来るのは何度目だろう。かなり少ない。3回目か4回目か。

● 休日の鎌倉は混み合うとは聞いていた。今はシーズンオフといっていいんだろうけど,それでも鎌倉駅は激混みと言いたくなるほど,混んでいた。
 黄金週間や秋の紅葉の時期はどういうことになるんだろう。

● ここまで人を集める鎌倉の魅力って何なのだ。ひと言で言ってしまえば,東の京都だってことだろうか。
 エピソードや物語を持つスポットがそこかしこにある。よく知られた神社仏閣が多い。社寺が好きな人には何度来ても,どれだけ滞在しても,飽きることのない街だろう。

● 中世のある期間,ここが日本の中心だった。天皇は京都にいたままで,実質権力は鎌倉にあった。こんなのは後にも先にもない(と言いたいのだけれど,江戸幕府があったな)。
 この後,足利氏は京都に幕府を置くのだし,戦国の英雄たちは都に上り,天子を擁立して天下に号令しようとした。京都を放っておいて,自分がいるここを日本の中心にすると考えたのは,源頼朝をもって嚆矢とする(厳密に言うとそうではないけど)。

● 加えて,鎌倉には文化都市のイメージがある。あるというより,漲っている。文化と学問の街。
 実際はどうなのか知らない。が,戦後,鎌倉アカデミアなるものが存在したし,作家の多くが鎌倉に住んだ。
 鎌倉が彼らに選ばれたわけだ。選ばれるには選ばれるだけの地の力があるからだろう。

● ぼくの頭には鎌倉の全体が入っていない。大仏を見たことはある。銭洗い弁天にも行ったことがある。長い階段を登ってお寺に行った。長谷寺だったか。いくつかの断片があるだけだ。
 で,今回は鶴岡八幡宮に行ってみた。たぶん,初めてのはずだ。思っていたより小さな社だし,下界との高低差もあまりない。もっと,階段を登った奥にあるイメージを持っていた。

● 武家の社って,それ以前のものに比べれば,装飾が簡素になったりしてるんですか。東照宮なんかお金にあかせて飾れるだけ飾ったという感じなんだけどね。
 鶴岡八幡宮も細部の装飾はかなり凝っている。でも,鎌倉の中心となるお社だもんな。

● 200円を払って宝物館も拝観した。結局,こういうのって猫に小判なんだな。ぼくが見ても何もキャッチできない。宝を見ているのに宝と認識できない。
 わかる人が見ないとダメだよね。でさ,わかる人ってあんまりいないんじゃないかと思うんだよねぇ。

● 神社仏閣もそうだ。わかる人に見てもらわないと,神社仏閣が可哀想だ。ぼくのような無粋な人間がバタバタと見てもしょうがない。っていうのを,神社仏閣に行かない言い訳にしちゃいけないんだけどね。
 歴史は好きなんですよ。日本史もわりと好き。でも,ある人物,ある場所,ある建物が持っているストーリーを頭の中で再現できるほどの細かい知識は持ちあわせていない。ここだけは絶対に行きたいというところもない。
 ので,その場に立ってもボーッとしているしかないんだな。もったいないことだ。

● 小町通りを歩いてみた。ここを歩くのは初めてだ。こんなに人でごった返している小路があるんだなと思った。毎日が縁日とはこういうことだ。東京に行けば,原宿とか,そりゃ他にもあるんでしょうけどね。
 団子を買って食べ歩き,煎餅を買って食べながら歩いた。

● シラス丼の貼り紙を出している食べもの屋がいくつもある。シラス丼,言葉から内容は容易に推測できる。これって鎌倉というより湘南地方の名物になっているんですか。味も食べなくても推測できるな。
 でも,これだけシラス丼,シラス丼って言われると,一度は食べてみようかという気になる。
 で,「秋本」さんというお店に入ってみた。佇まいがきちんと和風だったので,たまにはこういう店で食べてみるか,とね。

● 生シラス丼と釜揚げシラス丼がある。けど,この日は釜揚げシラス丼のみとなっていた。
 シラスがご飯のうえに部厚く載っている。てっぺんにおろし生姜。お好みで醤油(土佐醤油を使っている)をかけて食べる。シラスに塩味があるので,かけ過ぎないように注意してください,と言われた。
 温泉卵も付いてくるので,少し食べたところで卵を載せて,卵かけシラス丼にする。この方が旨い。生卵ではどうなんだろうね。

● 赤出汁だけお代わりしたいと,相方が言いだした。そんなことができるのか。できたんでした。210円で赤出汁のお代わり可能。
 最近は,旨いと思ったときには,そのことをお店のスタッフに伝えるようにしている。ついでに,何か秘訣があるのですかと訊いてみた。
 ダシをしっかり取ってますから,味噌もいろいろ合わせてるんですよ,ということだった。つまり,教えられないということ。ま,教えてもらっても真似はできないんだけどね。

● お値段は1,300円(+税)。単純な食べものだ。家でもこれに近いものは作れるんじゃないか。コツはシラスをどっさり載せること。
 ところで。釜揚げシラスのほかに,生シラスがあるとなると,そちらも食べてみたいと相方は思ったらしい。こういう局面で相方を翻意させるのは,ほぼ不可能だ。生だろうと何だろうと,もうシラスは食べなくていいんじゃないかと思うんだがな。

● で,どうしたかというと,「海鮮三崎港」に行ったんでした。京樽が運営する回転寿司屋。生シラスの軍艦があったわけなんでした。
 食べましたけど。シラスは釜揚げにするのが正統なんでしょうね。何でも生の方が旨いってわけではないようだ。生が不味いというわけではないんだけど,もちろん。

● 「海鮮三崎港」では,それ以外の,ブリとかマグロとかが旨かった。この回転寿司屋に入るのは初めて。ぼくの地元にもある「魚べい」や「はま寿司」のような,どれでも百円の回転寿司屋に比べると,値段は倍近い。けど,それだけの(たぶん,それ以上の)内実は備えているんでした。
 ただ,食べ過ぎた。そりゃそうだ。シラス丼を完食しているんだからね。

● 相方が歩きながらスマホをいじっていた。たぶん,今夜どこかで泊まれないかと画策しているんだろうと思った。それしかないはずだから。
 案の定だった。竹芝のインターコンチネンタルに安いプランが出ていたようだ。結局,28,000円でクラブフロアに泊まれることになった。
 だったら東京に移動しようというわけで,昼食後は鎌倉を離れることに。鳩サブレも買えたしね。

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