● 東京経済大学の学生募集広告。中央線の車内にあったもの。
見にくい写真なので,コピーを転載しておくと「ペット産業,都市農業,観光など「現場」から,研究はスタートします。」というもの。
● 大学って象牙の塔のイメージがあって,先生方も浮き世離れしている感じ。大学の教師だから務まっているんであって,これが企業や役所だったら3日で首になるか辞めるんじゃないか,と揶揄される人たち。
ので,研究というのは現場から遠いものじゃないかと受けとめる。
● 特に哲学とか数学とかっていうのは。思弁の世界で。
でも,いわゆる社会科学においては,現場からスタートするのだろう。現場じゃなかったら,どこからスタートするのか,という話だ。
● だから,企業でも役所でも現場で仕事をしている人は,研究テーマの宝庫にいるようなものなのだろう。
が,ぼくはまったくテーマを発掘することができなかった。
● その理由をつらつらと考えてみる。
文書になっているかいないかは別にして,その仕事の進め方に関する規範のようなものがあって,そのとおりにやることに汲々としていたからだろう。
現場の中にいて,現場から規範を照らすという発想ができなかったような気がする。現場を規範に合わせようとしていた。
現場の外側に現場を指導する規範があるという感覚。これは大学時代に持ってしまったものか。そこからついに自由になれなかった。
● これを敷衍していくと,自分の外側に自分を指導する規範があるという感覚になる。自分が規範を作るという発想にはどうやっても辿りつかない。
小学生のときから規範は先生が与えてくれるもので,それは疑うべからざるものと思ってしまっていた。その水準をずっと越えることができないまま,人生の終盤まで来てしまったということか。
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