2018年8月25日土曜日

2018.08.25 生活満足度が高い

● 右は今日の読売新聞。一億総中流の時代より生活満足度が高いという結果。
 マスメディアや識者の報道や発言によれば,小泉内閣の構造改革政策以後,貧富の格差が拡大して,特に貧に属する国民が増えたと言われている。貧困女子とか非正規就労とか,警鐘を鳴らす標語はたくさんある。自殺者もピーク時よりは減ったとはいえ,年間2万人を超えている。

● にもかかわらず,生活に満足していると答えている人が過去最高。これはどういうことなんだろうか。
 他者との比較や上昇志向の呪縛から解放された人が増えたってことなんだろうか。“人は人,自分は自分”と達観できていて,周りがどうしているかなど気にしない。右顧左眄しない。そういうことなんだろうか。

● 大昔の農村では,隣も買いましたよというと覿面に効果がある,と言われたものだけどね。隣もテレビを買いましたよというと,ではウチも,と。
 横並び主義。自分がどうしたいかより,周りに合わせる。今でも同調圧力が強いと言われる。日本人は統治しやすい,されやすい国民だと思うんだけども,これから変わっていくんだろうか。

● そこから脱却できたとするなら,素晴らしいことだと思うんだけど,どうなんだろうか。
 お金とか地位とか名誉とか教養とか,かつて価値があるとされてきたものの輝きが褪せていることは確かだと思えるのだが,だからといって,それが生活の満足度につながるかというと,これもねぇ。
 
● 案外,インターネットが関係しているかもしれない。家で無料で遊べるツールが行き渡ったということ。出かける必要がない。お金もかからない。それでいて,退屈しないでずっと遊んでいられる。
 インターネットというツールの普及が,ひょっとするとそういうところにも影響を与えているのかも。

● もうひとつ。日本が先進諸国の中で,物価の安い国になったことも理由のひとつかもしれない。特に外食。懐石料理だのフルコースだのと言わなければ,日本の外食費はかなり安い。
 たとえば,吉野家の牛丼。あの旨さとあのボリュームで,値段はわずか380円。そうしたファストフードとあらたまった席での料理の差はさほどにない。
 とすれば,レストランで食事をしている人を羨ましく思う理由は,実質的にもないことになる。喰いたいヤツは勝手に喰ってろ,ですむ。

● 生活に満足していること自体が,満足度を高めるかもしれない。満足しているんだから,ヨソに目が行かない。
 外国になんか行ってみたいと思わない。日本にいるのがいい。これだけ外国人が日本に来るようになったのはそういうことじゃないか。
 そういう内向きではいけないと識者は仰るわけだけれども,識者の方が浅薄なのかもしれないよね。

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