● 右は今日の下野新聞。人手不足倒産が現実のものとなるときが来るんだろうか。しかも,わりと近い将来に。
この記事では飲食店が取りあげられている。わかりやすいからだろう。土日はかきいれ。休むなんてとんでもない。
しかし,サービス業は日本の基幹産業だ。土日に休めないのは普通のこととまでは言わないけれども,別に珍しいことではない。
● つまり,それだけなら人手が足りなくて営業縮小にまでは至るまい。吉野家にしてもマックにしても,通常営業を維持できている。
小さい飲食店は江戸時代の番頭さん,小僧さん的な色彩を漂わせてしまっている,いなくてもそう受け取られがち,というのがあるのかも。常時,雇用者の監視下に置かれるのは,雇われる側にはあまり歓迎できることではない。
そのうえ,合理化が遅れている。遅れているというか,合理化できる余地があまりない。
● それに耐えて残っていく人材は相当なものだ(と思う)。娘(息子)と結婚させて跡を継いでもらおうと考えたくなるほどの人材のことも多いのではないか。
問題は,そういう優秀でタフで気働きができる人はそんなに多いはずがない,ということだ。
● そういう人材に来てもらいたいなら,それ相応の賃金を支払わなければならない。最低賃金程度しか支払わないのに,ウチにはロクなのが来ないと嘆くのは間違っている。来るはずがない。最低賃金しか出さないのであれば,最低賃金に相応しい人しか来ない。あたりまえのことだ。
ただし,時給2,000円出せば“人材”が来るかというと,そうは限らない。人はお金のためにだけ働くのではないからだ。厄介だ。
● 雇う側と雇われる側。もし,雇う側に自分は上位,雇ってやっているという意識がわずかにでもあれば,おそらく人は定着しない。
雇う側が雇われている側を選んでいるのと同時に,雇われる側も雇う側を選んでいる。雇われる側に自分を選んでもらえなければ,人は来ない。返す返すも厄介だ。
● この人手不足は景気変動ではなく人口構造の変化(新規就労者の減少)による。一過性のものではなく,長く続くことになる。就職氷河期など,二度と来ないかもしれない。労働市場は売り手市場が常態になるだろう。
AIの進展で人間がする仕事は半分以下になると言われている。それで労働人口の減少をまかなえるかどうか。まかなえると思いたいが。
● この記事にあるようなミスマッチのレベルではない。AI化を待てないのであれば,高齢者の就業率を上げるか,外国人を入れるか(移民の緩和)。
実際に,都市部の飲食店やコンビニは外国人の若者が支えている。彼らの多くは優秀そうに見える。下手な日本人よりきちんと仕事をこなしているのではないか。
● かといって,日本の労働市場を全面的に外国人に開放することには,世論が抵抗するだろう。さて,この先,どういう光景が展開していくのか。
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