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2023年6月8日木曜日

2023.06.08 鳴虫山登頂のリベンジに成功した

● 日光に来た。コンビニで水と非常用食料(?)を買って,この前(5月18日)失敗した鳴虫山登頂のリベンジに挑もうと思う。
 前回の失敗は,前の晩の飲み過ぎにあると自己分析。今回はと言うと,白ワインに赤ワイン,日本酒にハイボールまで勧められるままに飲み続け,やはり飲みすぎている。しかし,睡眠はけっこうまともに取れたと思うので,前回よりは体調がよろしい。

● 登り始めてすぐのところにお堂がある。山岳仏教の名残りかね。名残りというより,現代でもそうなんでしょうね。
 仏教も神道も,自然との相性がいい。日本的な現象なのか世界的にそうなのかは知らないけれども,おそらく後者であろうと思う。アニミズムというやつですか。

● たしか前回はこのあたりまで来て引き返した。何度も休憩したあげくに。
 今回は休憩も少なくてすんでるぞ。この先に進めそうだ。ゼイゼイと息はあがってますがね。この時点で,今回は頂上まで辿り着けると確信しました。

● 神主山に到着。前回はここまでも来ることができなかったのだ。
 鳴虫山までは今まで歩いた分の倍の距離があるのだけど,高度は半分ほど稼いでいる。ということは,ここからは平均勾配が緩くなるのか。
 いや,山には(というか自然には)平均という概念はないからね。登っては降り,また登るの繰り返しだから。ここまでは登りのみだったけど。
 神主山からの眺望はこんな感じね。これが眺望と言えるかというのは,別の話だけど。

● ここまで来る間に,ごみは1個しか見かけなかった。ティッシュが1枚落ちていただけ。皆さん,マナーはよろしいようだ。
 ビニールや紙は自然界にはないものだから,そういうものは持ち帰って,ゴミステーションに出さんとね。この点では,富士山とエベレストの登頂者は世間に対して恥じるがよい。
 放尿くらいはよろしかろうけどね。ぼくの糖分たっぷりの小便を栄養にして,スクスクと育ってくれたまえ,山の神よ。

● ここからはアップダウンがいくつも登場。頂上に着いたかと思いきや,その先があり,いったん降ってそれ以上に登るという。
 こんなところを登っていく。しかし,総じて言うと,神主山から先は造作もないとまでは言わないけれども,けっこう楽ではあった。体が慣れるのかもしれない。あと,水が減るので荷物が軽くなるせいもある。

● これはハイキングなのか。ハイキングのイメージからはだいぶ遠いんだが。
 といっても,これを登山というのは全く当たらないから,ハイキングでいいんでしょうな。けっこう難易度の高いハイキングではあるけどね。

● そうこうするうちに鳴虫山頂に到着。リベンジ成功。眺望はこんな感じ。
 
こんなに低い山なんだけど,頂上に着くのに3時間を要した。だいぶ遅い方だと思う。所要時間は歩行速度ではなく休憩の多寡で決まるから,頻繁に休憩したわけですね。
 山頂では20分ほどグズグズした。包み紙に包まれたままのキャンディーが1個と若干のゴミがあったので,拾ってきた。

● 鳴虫山の頂上付近も杉や檜が植林されている。よくやったねぇ。金のためという動機は発奮力が強いんだな。
 しかし,山が荒れるというか腐るというか。そういうことは感じた。だから植林は悪だというのではないんだけど。杉の根っこが地表に張っていて,おかげで歩きやすくなっているってこともあるし。

● 帰りはいま来た道を引っ返すのではなく,憾満ヶ淵の方に降りることにする。これは当然ね。誰でもそうすると思いますわ。
 ところが,いきなり急勾配なんですよ。かなり本格的な階段が設置されている箇所もある。行くほどに思いましたよ。憾満ヶ淵の方から登っていたら,途中で引き返していたに違いない。ぼくほどのヘタレがこの道を逆に登って来れたはずがない。

● 合峰。これはどういう意味? 読んで字のごとしかね。分峰としてもいい?

 山岳修行地でもあったんでしょうかねぇ。修行地というより修行後の寝ぐらがあったのかなぁ。


● “独標” を過ぎてしばらくしたところで,どうやらハイキング道から外れてしまったらしい。外れようがないところを外れてしまったわけで,どうしてなのかわからない。ハイキング道を示すテープを巻かれた樹木が倒れてあらぬ方向を示していた?
 道なき尾根を降っていくことになった。なかなかにワイルドな。

● ほうほうの体で降ると沢に出る。沢に沿って行けばいい。沢には人が入っている。獣道のようなものだが,歩けるスペースがある。
 麓に近いし,遭難などどいう大げさなことになる可能性はないけれども,道を外れたことにどれだけ早く気づいて修正できるかが大切ね。

● まともな道に出たときにはホッとしましたよ。これがハイキング道。
 はい,憾満ヶ淵に降りてきました。やれやれだ。
 降りにも1時間半を要した。道なき道を行くなんて場面があったしね。
 途中,誰にも合わなかった。熊にも猿にも合わなかった。
 憾満ヶ淵には今回も外国人しかいなかった。ここには外国人を惹きつける何かがあるんでしょう。化け地蔵なんか,彼らには興味津々の対象なんだろうねぇ。

● 憾満ヶ淵側の登山口はこんな感じ。日光市街側からはすぐに登りになるが,こちらは最初は平坦だけれども,この平坦さはごく短いからね。こっちから登るのはシンドいよ。

● 街歩きの格好で登ったんだけど,靴だけはね,トレッキングシューズというのか登山靴というのか,山登り用の靴を履いた方がいいね。ガレ場がけっこうあってスニーカーだと足首を捻りやすいのでね。道なき道を降るときに二度捻ってしまって,けっこうヒヤッとしたよ。
 初めての山行きは単独行じゃない方がいいかもしれない。山登りが好きな人の多くは分裂気質で,孤独を愛する(あるいは孤独を苦にしない)のだと思うんだけど。孤独になれるから山はいいんじゃないか,と言われそうなんだけど。

2023年5月18日木曜日

2023.05.18 鳴虫山登頂に失敗

● 日光市街から簡単にアクセスできる鳴虫山に登ってみるかと思ってね。サンダル履きじゃさすがに無理だろうけど,散歩気分で行けるだろうと軽く考えてたんですよ。
 標高1,103.5mで,登山口の標高が540mだからね。標高差は600mもない。スカイツリーより低いわけですよ。

● で,こんなところから登り始めた。ところが,10分も歩かないうちに1回目の休憩。数分歩いちゃまた休み。3回目の休憩を取ったところで,Googleマップを確認したら,途中の神主山までまだ半分も来ていない。神主山から鳴虫山までは相当な距離がある。
 これは無理だ。引返すことにしましたよ。

● 下界は真夏のごとく暑いんだけど,山に入ってしまえば,基本,日がささないから涼しいんですけどねぇ。脳内で名探偵コナンのメインテーマを鳴らしてみても,ダメでしたよ。
 二晩連続で(自分的には)大酒を飲んでいるのが効いているかなぁ。深酒の結果,睡眠も浅いのかもしれん。体調を整えて捲土重来を期すことにしますわ。それでもダメなら人間も引退すべきかね。
 2リットルの水を持ってきたんだけど,この時点で半分消費。飲むそばから喉が渇く。腹に力が入らないんすよ。情ない。

● 地面に落ちている青い花びらは藤の花ですかねぇ。ぼくらが考えているより山は豊かなところで,水も獣肉も山菜も薬もある。
 姥捨山の暮らしは深沢七郎が描くような悲惨な世界ではなく,むしろ当時の娑婆より楽だったんじゃないかと思うんだよね。年寄はお山に登れる日を指折り数えて待ったんじゃないか。
 もちろん,姥捨てが実在したという証拠はありませんよ。念のためね。

● 近いうちにリベンジしたいです。酒を飲まずにたっぷり寝てね。
 加齢による体力の減退だとは思いたくないし,実際にそうではないことを証明しないとねぇ。

2023年3月31日金曜日

2023.03.31 日光散策:憾満ヶ淵・銭沢不動尊

アカヤシオ
● 日光も温かくなってきた。これから観光客も増えてくる。というか,増えている。春休みの時期だしね。
 4月になると登山客も増えだすのだろう。1月末に初めて日光に泊まるという経験をして味をしめたというか,以後,同じことを何度か繰り返しているのだけれども,そろそろ身を引く時期かもしれない。次は11月頃となるか。
 実際には,黄金週間は避けるとしても,6月くらいまではホテルの予約を入れることになる。いや,すでに入れている。

● ホテルから稲荷川左岸の山を下って来た。小杉放菴記念日光美術館の庭園。咲いているのはアカヤシオ(というらしい)。

● その稲荷川はこの先で大谷川と合流する。そして鬼怒川となり,最後は利根川となって太平洋に注ぐ。
 大谷川の交流点を見ておきたかった。市街から近いから造作なく到着する。左の写真で奥の方から落ちてるのが稲荷川。

● 大谷川の土手(降りられない)に咲く,楚々とした佳人にも出合った。

● 今度は大谷川を遡ってみようと思う。神橋から大谷川を遡る。しばらく歩くと,古い民家が残っているエリアに出る。その佇まいに日光の底力を感じる。
 暮らしがラクだとは限らないだろう。生きていれば色々ある。まさかという坂も経験しているだろう。にも拘わらず,この佇まいを維持しているのは大変なことだ。それ自体が社会貢献だと言っていいだろうし,何て言うんだろ,公共意識をきちんと持っている人たちだなと思った。

● 神橋のひとつ上流に架かる橋を渡って,大谷川の右岸に出る。
 しばらく行くと,慈雲寺の寺域に入ったんだろうか。こんなポールた建っている。照らそうと思わないでやっていることが,結果として照らしているというのがあらまほしい。
 照らそうと意図して何かをやると,たいていの場合,何がしかの迷惑になる。

● 慈雲寺の山門をくぐる。地蔵が80体ほどだろうか,座って瞑想にふけっている(立ってるのもいるけど)。化け地蔵と呼ばれている。
 このあたり,まだ静かだ。来ているのは外国人ばかりで,日本人には出食わさなかった。彼らが感に堪えないように地蔵にカメラを近づけていた。

● 地蔵たちの目線の先が憾満ヶ淵。この流れを見やりながら,彼らはひたすら瞑想三昧を続けているわけね。もう300年以上になる?
 じつは,ここ,初めて来ました。ひょっとしたら,小学校の遠足で来たかもしれないけど。

● クマが出ることがあるらしい。この地蔵もクマに食いちぎられたのかね。バチあたりなクマもいたものだな。


● 憾満ヶ淵から市街に戻る途中に,銭沢不動尊への案内標識があった。ついでだから行ってみるかと思ってね。行ってみることにした。ゼニっていうのは銭という字を当てたけれども,元々はどんな意味を持ってたんだろ。意味なんかないんだろうか。
 日光宇都宮道路の下をくぐらされる。忌々しいが仕方がない。

● クマが出るとは思わなかったが,先ほどの標識が頭を掠めて,あまりいい気分じゃない。
 途中,一度だけ休憩した。若い人にはさしたることもあるまいが,老体にはけっこうな山道だった。
 不動尊はお堂に収められていて,見ることは叶わない。

● 銭沢不動尊は地元の人たちがお世話している。参道(?)沿いの木々にピンクの紐を結わえて,迷わないようにしてある。観光客で来る人はいないのだろう。誰にも合わなかった。
 次に来たときには,この上まで行ってやろうと思った。つまり,鳴虫山に登ろうと思う。登ると言うと大げさだけど。男体山や女峰山に登るのも登山と言ってはいけない気がする。ハイキングの範疇だと思う。
 ただ,けっこう何度の高いハイキングなので,ぼくは遠慮しておきたい。鳴虫山なら何とかなるだろう。

2023年3月7日火曜日

2023.03.07 シェルターガーデン日光 4-2

● シェルターガーデン2夜目の夕食。アミューズはホタテ。前菜は日光人参のムースにホワイトアスパラガス&あん肝。
 この時点で日本酒が欲しくなる。鳳凰美田と外池酒造の「望」を持ってきてもらった。あん肝をチビチビ食べながら日本酒をやる。ホテルレストランを居酒屋に変えてしまえ,俺。

● 白いんげん豆の野菜スープ。白いのは素麺。酸味で食べさせる。

● 魚は真イワシの香草パン粉焼き。イワシってひと頃,漁獲高が減って高級魚になるんじゃないかと騒がれたことがあったが,最近は豊漁のようで。
 鮪も食べられなくなると言われたことがあったが,だいぶ経った今でも食べられている。鰻もそうだな。騒いだヤツが狼少年だったわけではなくて,関係者が獅子奮迅の努力をした結果なのかね。
 ろくな根拠もないのに騒ぐことが好きなヤツがいて,ギャーギャー騒いだだけなんじゃないかと思っているが。

● 肉は国産牛のハラミのソテー。デザートはイチゴのデセール。
 デセールとはデザートという意味のフランス語だから,セレナード(小夜曲)をアイネクライネナハトムジークと言うが如しで,わかったようなわからんような。

● これで食事は終わり。その後に漬物が出る。昨日は食べないで部屋に戻ったんだけど,今日はいただきましたよ。
 再度,鳳凰美田と望を注文して,漬物で飲んだ。外池酒造の燦爛をサービスで出してくれたのでね。お返しをしないわけにはいかないでしょ。
 つーことで,けっこう飲んだ。が,悪酔いはしない。

● 翌朝(つまり今朝)は快晴。女峰山頂に至る尾根が部屋からキレイに見える。
 朝食。汁は鯛の潮汁。シモツカレもあった。クセを取り除いて食べやすくしている。栃木県民でもシモツカレを食べることは早々ないから,そうした方が受けがいいのかもしれんね。
 漬物でご飯を食べる悦楽も知った。若い頃は悦楽とは思わなかったから,経年変化によるものですかな。

● 昨夜もお一人様のお客さんがいた。しかも,女性。まったく違和感がない。ひとりが様になっているというかね。
 女性が一人で旅館に泊まっていると,自殺を警戒されたのはそれほど昔のことではない。シンガポールのホーカーズに地元の女性が一人で食べに来ているのを見て,これは日本にはない風景だなぁとぼくが思ったのも,それほど昔のことではない。
 それが,日本もここまで来ていたのだな,と思った。

● 女性は30代が一番面白い。悩み多き20代を抜け出して吹っ切れるんだろうか。結婚していようといまいと,その吹っ切れた感が横溢していて,清々しい。
 昨夜の彼女,朝食には姿を見せなかった。のではなくて,とっくに食べて出かけたのだろう。当然,車で来ているはずだ。活動的な人のようだ。病院に勤務しているらしい。

● 駅まで送ってもらって,10時過ぎにJR日光駅に。宇都宮発の電車から降りてくる人がかなり多い。その過半は外国人。こんなに外国人が増えているのか。昨年10月まではこれがゼロだったわけだ。
 日本の観光業は外国人なしでは成り立たなくなっているのだろうな。インバウンドが増加する過程で,彼らの存在を前提にした供給体制を作ってきているんだろうから。

● 彼ら外国人の中には本格的な登山の格好をしている人も多い。が,そこは外国人で,ガチガチに固めてはいない。どこかラフなところがある。
 そこが外国人の好ましいところとして,ぼくの目には映る。