それを妨害する出来事があると,大きなストレスになる。ので,不要不急な人間関係は持たないようにしているし,生活範囲を限定しようとしている。
意識的にそうしているわけではないが,上から俯瞰すれば,そのように見えるだろう。
● インターネットがそれを援助してくれているという事情もある。君子の交わりは水の如し,をリアルで実現するのは難しいが,SNSなら可能だ。
SNSもあまり体重を預けすぎると厄介なことが起こりそうだが,言いたいことを言いっ放しにする,コミュニケーションを殊更に求めないようにしていれば,水の如き交わりを実現できるのではないか。
● 宗教や政治の話をSNSではしないようにするだけでも,だいぶ違うのではないかと思う。
特に政治に関しては,性別,年齢,出自,職業,収入の多寡,学歴に関係なく,一人一票なのだから,自分が他者より優れているという幻想に陥って,上から他者を批判するという愚を犯さないことだ。
正しい方向がどれかなど,誰にもわかるはずがない。それは神の領域だ。ぼくらはしょせん,衆愚の一人に過ぎない。
● ま,ぼくは選挙権を得てから投票に行ったことは一度もないし,これからもないので(仮に自分が投票に行っていたら,日本の政治が今とは違った方向に動いたかといえば,そんな可能性は1nmもない),政治に関しては典型的なノンポリだ。
ので,こんな呑気なことを言っているのかもしれないけれども,主権者国民が投票することによって政治を変えられるなどというありもしないフィクションにいつまで縋っているのかと,正直,思っている。
● 政治は時代が作るのであって,政治が時代を作るのではない。
その時代の参画に個人が与れるなどと,どうしたら思えるのか。ぼくには理解できない。
● 人間はか弱い葦に過ぎない,しかし,考える葦である,と言ったのはパスカルだったか。
が,そう言うのはパスカルだから許されるのであって,ぼくらが同じことを言ったのでは,笑止千万の沙汰になってしまう。
● 自分の頭で考えることが大切だというのは,教育者が好きな言葉のひとつだと思うが,それを真に受けると大変なことになる。
バカが自分の頭で考えてしまっては,間違えるに決まっている。自分の頭で考えていい人など,百人に一人もいない。千人のうち二人か三人がせいぜいのところではないか。ぼくらは自分のバカさ加減に対する自覚が圧倒的に足りない。
● ぼくらがまず徹底すべきは,慎むことだ。天下国家のことは,その二人か三人に任せればいい。
選挙スピーチに乗せられて,ヒョコヒョコ投票に行くなどという軽佻浮薄なことをまずやめてみたらどうかと思う。