2017年11月15日水曜日

2017.11.15 夢を見る技術-浦島太郎の話

● 浦島太郎の話にはよくわからないところがある。どう解釈すればいいのか。
 特に,乙姫が浦島太郎に玉手箱を持たせたのはなぜなのか。持たせる必要なんかなかったろう。
 しかも,わざわざ「開けてはいけません」と言って,必ず開けるように仕向けている。開けてはいけないと言われれば,開けたくなるもんね。

● これに関して吉行淳之介さんが,次のような解釈を示している。
 乙姫は竜神の囲われ者。が,竜神の寵愛は別の妾に移ってしまい,乙姫は竜宮城でひとり孤閨をかこっていた。ある日,浦島太郎を知り,あぁ,この少年に慰めてもらいたいわ,と思った(浦島太郎は偉丈夫なイケメンだったのだろう)。
 そこで浦島太郎を竜宮城に拉致することにした。亀に言い含めた。浦島太郎が通りかかる時刻に砂浜でいじめられてきなさい。
 心優しい浦島太郎がその亀を助けるだろうことはわかっている。上手くいった。
 次は拉致だ。お礼に竜宮城に招待したいと亀に言わせ,それにもまんまと成功した。

● 当然,浦島太郎が竜宮城で受けた接待は,鯛や鮃の舞い踊りばかりじゃなかったはずだ。が,そうこうするうちに,さすがに乙姫も気がすんだ。ありていにいえば,浦島太郎に飽きてきた。
 帰さなければならない。あまり長引くと自分の浮気が竜神にバレてしまう可能性もある。竜神のことだ。バレてはおおごとになる。
 いや,帰したあとも,浦島太郎がペラペラと自分の竜宮体験を喋ってしまうかもしれない。喋られてはまずい。唯一の生き証人を亡き者にしなければ。

● そこで凶器の玉手箱を持たせた。わざわざ開けてはいけないと念を押し,必ず開けるように仕向けることも忘れなかった。
 玉手箱を開けてしまった浦島太郎は,3日ももたずに亡くなったろう。こうして,乙姫の完全犯罪は成就した。

● さて,では浦島太郎は哀れな被害者だったのだろうか。断じて,否,でしょ。酔生夢死を地で行ったようなものだもん。
 少年から老衰するまでの期間を,あり得ないほどに短く感じられるような快楽のうちに過ごせたんだから,こんな幸せな人生はない。

● ぼくははるか昔に少年ではなくなった人間だけれども,かつ偉丈夫でもイケメンでもないけれども,誰かぼくを竜宮城に拉致してくれないだろうか。
 帰りにはぜひ玉手箱を持たせてほしい。開けてはいけないとは言ってくれなくていい。言われなくても開けるから。

● ここで思うのは,竜宮城で浦島太郎が過ごした年月は,現実なのか夢なのかってことだ。夢と現実の境目は限りなく曖昧だ。
 夢を見る技術,魅惑的な言葉だ。

2017年11月14日火曜日

2017.11.14 夢を見る技術

● この標題は,吉行淳之介さんのエッセイのタイトルのパクリ。じつは今朝方,次のような夢を見た。

● A子とB子,二人の女性と泊まった。羨ましいとお思いか。とんでもない。何だか憂鬱なのだ。
 A子は別の部屋にいる。B子はぼくの隣にいる。でも,他にも何人も同じ部屋に寝ている。タコ部屋っぽい。
 朝になった。何人もいるのに,B子がぼくの上に乗ってきた。
 ざけんなよ,何やってんだよ,と思ったところで,目が醒めた。そんなこと思わないで,ちゃんと最後まで事を成就してから目覚めるのが,夢見の達人なんでしょうね。

● 夢を制する者は人生を制す。現実も夢なら,夢も現実だから。どちらも同じ脳内現象。
 であるなら。いい夢を見る技術があれば,それを習得したいよね。

● 夢って,脳が記憶の整理をしているときに見るものらしい。当然にして,自分の意のままにはならないものだとは思うんだけど,夢の中でも右か左かと迷うことがあるじゃないですか。そういうときに,こっちがいいと思っているんだけど,逆の方に行ってること,あるじゃないですか。
 そういうときに,いいと思った方向に行けるようにはならないものですかねぇ。

● それと,夢を引っぱることってできないものだろうかと思う。いい夢(めったにないんだけど)を長引かせる。これ,できないものかなぁ。

2017年11月12日日曜日

2017.11.12 街はすっかりクリスマス

● 宇都宮駅前のペデストリアンデッキもすっかりクリスマス。
 ぼくは,商業主義にはおおむね好意的なんだけど(広告が一切ない世界を想像してみるがいい),こういうのに疎外感を覚える人もいるだろうねぇ。

● こうしたクリスマスを煽る飾りつけが自殺者を増やしてしまうことはないのかと,余計な心配をしてみる。

● クリスマスを煽るというより,“クリスマス→家族団欒,カップルで食事,友だちと騒ぐ”と短絡する傾向を煽っているところがね。
 あたかも,クリスマスにはカップルで食事に行ったり,友だちと騒ぐものだよ,みんなそうしているよ,と言っているような。

● 家族や彼女(彼氏)や友だちがいないなんて,べつに何でもないことだ。
 だけど,そういうものが規範になってしまっている風潮がどうもあるようで,そこが面白くない。

● 家族から離れて一人で暮らしている人,彼女(彼氏)がいない人,友だちがいない人。いずれもかなりの数,いるだろうからね。
 気がかりなのは,その3つともいない人だ。それだってけっこうな数,いそうだよね。それ以前に,クリスマスどころではない人もいるはずだ。

● 標準から外れている自分はダメ人間,とこれまた短絡してしまう人もいそうだ。
 短絡するのが悪いと言ってしまえば,それはそのとおりなんだろうけど,大方の人たちはいくつもの短絡で生きているわけで。
 短絡で生きてるのが大衆というものだ。まったく短絡を排しきれている人なんているのかね。

● クリスマス一色になってしまうのがよくない。別の色も残しておかないと。
 クリスマスなんて関係ない人もたくさんいるんだよ,っていう告知をする電飾はないものか。

2017.11.12 森山良子さんのディナーショーのポスター

● 70歳になんなんとするのに,この溌溂さ。若いときにひと時代を築いた人に特有のもの?
 ではおまえは33,000円出してこのディナーショーに行くのかと問われれば,さすがに行きますってことにはならないけれども。

● 松田聖子のディナーショーのチケットなんて,あっという間に完売するらしい。松田聖子なんだから,いい年になったオッサンやオバサンが行くんだろう。おそらく,普通のオッサンやオバサンなんだと思うんですよね。お金持ちというわけじゃなくて。
 おそらくそれだけの価値はあるんですよね。ひと時代を築いた人のライヴなんだから。

● 芸能人って,老人になってからも若い人が多いですよねぇ。化粧のおかげもあるんだろうけど,それだけでは説明がつかないように思う。
 鍛えているんだろうし,心がけてもいるんだろう。いつ誰に見られてもいいように備えておこうっていうのが,身に染みているのだろう。

● それでも首の弛みとか,手の甲とかに,避けようのない老いが現れてしまう。そこを掴まえて鬼の首を取ったように言う人が,たまにいる。いやー,どんなに騙そうったって,そうはいかないよぉ,隠しきれないところが出ちゃうんだよぉ,ってね。
 が,そうではなくて,そこからぼくらが学ぶべきもの(といっても,おそらく学びようがないのかもしれないんだけど)がたくさんあるんでしょ。

● ディナーショーに登場する人たちに,凡庸な人はいないもんね。ジェットコースターのような起伏があったろうし,裏切りとか手ひどい中傷とか,普通の人が味わう機会のない鋭角的な傷をつけられもしたろうし。
 それを踏み越えてきた結果の今の彼や彼女が,往年の自分の持ち歌を歌うところを見てみたいなとは思うんだけど,やっぱり行かないなぁ。

● お金の問題もあるんだけど,彼らがスターだった時代,つまり自分が若かった頃に,あまり関心がないというかね。若かった頃の自分をヴィヴィッドに思いだしてしまうような刺激は受けたくないっていうか。
 ロクなもんじゃなかったはずだからね。恥のみ多かったはずだから。せっかく忘れているものを,わざわざ思いだしたくないかな,と。

2017.11.12 週末はシェラトン都ホテルで 2

● ホテル内の「四川」で朝食。どういうわけか,今朝は混んでいた。
 和食を選択。禁断の納豆にも手を出して,相方にイヤな顔をされた。納豆の良し悪しはぼくにはよくわからないんだけど,いい方の納豆だと思う。豆がふっくらと柔らかい。

● 和食のオカズを洋皿に乗せることになるわけで,これはけっこう難しい。
 あとは,普段はまず食べることにないカットフルーツ。ホテルといえども,メロンにはアタリハズレがある。今日のはアタリ。

● が,ここでのお薦めは味噌汁なんですよ。乾燥ワカメをいくつか椀に放りこんで,汁をかける方式なんですが,この汁が素敵に旨いんですわ。
 3杯飲んだ。塩分なんかいくら摂りすぎてもかまわない,という気にさせる。

● スイートルームはやっぱり快適。これなら長期滞在が可能。つまり,住める。
 単純計算で月150万円。軽井沢に別荘を持つより,トータルコストはよほど安い。別荘を別荘として使った場合の,建物の耐用年数は15年と見込む。建築費用が2千万円とすれば,年あたり130万円。外に税金と維持管理費,食費その他の生活費。
 それでひと夏しか使わないんだから,ホテルに住んだ方が安いだろう。別荘は所有しないでアウトソーシングした方がずっといいのだ。

● 何十年も前の土地神話が生きている頃なら,別荘なんか持って失敗したと思っても,土地の値上がりがずべて埋めてくれて,なおお釣りがきたかもしれない。
 が,(たぶん)幸いにして,そういう時代ではなくなった。自分の資産を不動産という形態にはしない方がいいのだ。別荘なんていう年の半分も使わないもののためにお金を使うのは,すなわちお金をドブに捨てるのと同じだろう。

● ホテルならば主婦業は自分たちでやる必要がない。調理も洗濯も掃除もホテル側がやってくれる。特に,掃除をしなくてもいいというのは大いなる魅力。
 ま,どっちにしても,ぼくらにはあまり現実的な話ではないんですけどね。

● 別荘といわず,自分たちには自宅がある。自宅の方がスイートルームより広い。その自宅を有効活用しているかなぁと反省した。眠らせている部屋がけっこうある。
 その最大原因は要らないモノがありすぎることだ。そこに大ナタを振るうことができれば,自宅の快適さは大きく増大するね。モノを捨てること。営巣活動をほどほどに抑えること。

● シェラトン都のスイート,かなり気に入った。何がいいって,コケ脅しのシャンデリアとかがぶら下がっていない。
 ガラスケースに入った民芸品様の美術品が置かれていることもない。そんなのがあったんじゃ,壊しやしないかと気になって仕方がない。
 部屋数は多いのに,トイレや風呂が普通の部屋と同じ造りと面積だとガッカリするけれど,風呂もトイレも広さを保っている。

● 質実剛健というのとは違うけれども,基本に忠実という感じ。スッキリしている。
 必要なものはすべてあって,邪魔になるものはひとつもない。ここなら仕事ができる(しないけど)。

● 昼前にサウナを使わせてもらった。プールを使っている人は一人もいなかった。自分が泳げたらなぁと思うんですけどね。
 13時半に部屋を出た。今回,最後になるラウンジを使わせてもらって,フロントでチェックアウトして家に帰るとしよう。
 夢のような時間は夢のように早く過ぎてしまうものだ。

2017年11月11日土曜日

2017.11.11 週末はシェラトン都ホテルで

● 相方がまた安い宿泊プランを発見したようだ。今回は,「行きがけの駄賃だ。東京でコンサートを聴いてやれ」なんていうスケベ根性は出さないことにした。何もしないでホテルでノンビリすることにした。
 言い換えれば,個人行動をやめて,全面的に相方に付き合うよってこと。

● 今回は1154号室。スイート。料金は50,300円。この部屋で,ホテルの施設のほぼすべてを使えて,3食ホテルで食べられて,夜は酒まで飲めるんだから,この料金は破格に安い。
 たとえば,東京~京都を,大人2人が新幹線で往復すれば,それだけで5万円になる。その値段で1泊2日でオールインクルーシブなんだから,かなり安い。

● ぼくらにスイートは明らかに分不相応ではあるんだけど,こういうのって素早く慣れてしまう。相方は早くも次のプランを物色中。彼女の活力源。ぼくはご相伴に与る立場。
 東京なので交通費はミニマムに抑えれらる。ホテル外でお金を使うこともない。部屋でのんびりするのが目的ならば,スイートの効用は大きいし,それで相方が頑張れるのなら,目くじらを立てる金額ではない。

● ただね,お金を使ってする遊びは必ず飽きるからね。いつまでもこのレベルのお金遊びにとどまっていてはいけないと思う。お金を使わないでできる遊びの方が,奥が深いんだよ。
 女性はそうじゃないんだろうか。つまり,飽きないんだろうか,こういうのに。

● あと,貧乏性というのは出るものだなぁ。せっかくいい部屋にいるんだからというわけで,部屋から一歩も出ないで過ごすことになりかねない。
 はなはだよろしくない。

● まずはラウンジで昼食兼アフタヌーン・ティー。
 焼きそばとフルーツゼリーは,ここのラウンジでは初めて見るもの。ほとんど麺だけの焼きそばなんだけど,不思議に旨い。
 とはいっても,つまりは焼きそばであって,さほどに工夫の余地があるわけでもないようだ。

● 和のスイーツには,紅茶や,ましてやコーヒーなどではなく,あたりまえのことなんだけど,煎茶がよろしいですな。日本式のアフタヌーン・ティー。
 イングリッシュ・スタイルのアフタヌーン・ティーを超えるランチ&ティーを,すでにぼくらは手にしているのかもね。香港でペニンシュラのアフタヌーン・ティーをもう一度味わいたいかと問われれば,絶対にノーだからね。
 おそらく,日本のランチ&ティーに匹敵するかあるいはそれを超えるものは,中国の飲茶くらいではなかろうか。

● 夜もラウンジでハイボールを3杯。それでけっこう酔った。かっこつけてワインを飲もうかと思ったりもするんだけど,ワインには手が出ない。
 このラウンジ,ウィスキーだけはあまりいいのがない。っていうか,バーボンがひとつあるだけだ。それでもそのひとつに手が伸びる。

● 今回は外国人が多い。いつだって外国人はいるんだけど,今回は東洋系ではない外国人が多かったようだ。外見がぼくらと異なるから,印象が強くなる。
 ビジネスで出張してる人より,観光客が多いようだ。なぜそれがわかるかというと,カップルが多いから。

● でもって,酔いが回った頭で夜のホテル庭園を歩いてみた。歩いたくらいで酔いがさめるわけでもない。
 まだ21時を回ったくらいだけど,寝るとしようか。

2017.11.11 ひっさしぶりにロッテリア

● 蕎麦じゃなくて,ハンバーガーを食べた。宇都宮駅のロッテリア。もちろん,一人じゃなくて,隣に相方がいる。
 その相方が,たまにはこういう過ごし方もいいね,と言っている。遠くじゃなくて,宇都宮駅でこうして過ごすのも,と。

● つまり,朝の比較的早い時期に,ロッテリアに入って,外(駅のコンコース)を見る席に座って,コーヒーを飲んで海老バーガーを食べるという,そのシーンが気に入ったというわけなんでしょう。
 じつは,これから東京に行く。気楽な遊び目的だ。その途中,こうして宇都宮駅のロッテリアで時間を過ごしているわけだ。
 では,そうした目的なしに,ロッテリアで時間をすごすためだけにわざわざ宇都宮に出てくるか。絶対にやらないはずだと思う。

● この時間にこの場所にいるというのは,非日常であることは間違いない。ぼくらにとってはハンバーガーもご馳走。
 いやいや,これから東京に行くというワクワク感,休日の開放感があればこそ,この場が華やいでいるんですよね。そういう状況を切り離して,それでもなお,この場が華やぐかといえば,当然,そういうことにはならない。

● スタッフはほとんどバイトさんなんだと思うんだが,この接客技術の水準は相当なもの。マニュアルだけではない。気働きが支えている,たぶん。
 そんなにたくさんの賃金をもらっているわけでもないだろうに,なぜここまでのモチベーションを維持できるのか。不思議といえば不思議。自分はできない自信があるからね。