● 日光に来た。コンビニで水と非常用食料(?)を買って,この前(5月18日)失敗した鳴虫山登頂のリベンジに挑もうと思う。 前回の失敗は,前の晩の飲み過ぎにあると自己分析。今回はと言うと,白ワインに赤ワイン,日本酒にハイボールまで勧められるままに飲み続け,やはり飲みすぎている。しかし,睡眠はけっこうまともに取れたと思うので,前回よりは体調がよろしい。
● 登り始めてすぐのところにお堂がある。山岳仏教の名残りかね。名残りというより,現代でもそうなんでしょうね。 仏教も神道も,自然との相性がいい。日本的な現象なのか世界的にそうなのかは知らないけれども,おそらく後者であろうと思う。アニミズムというやつですか。
● たしか前回はこのあたりまで来て引き返した。何度も休憩したあげくに。 今回は休憩も少なくてすんでるぞ。この先に進めそうだ。ゼイゼイと息はあがってますがね。この時点で,今回は頂上まで辿り着けると確信しました。
● 神主山に到着。前回はここまでも来ることができなかったのだ。 鳴虫山までは今まで歩いた分の倍の距離があるのだけど,高度は半分ほど稼いでいる。ということは,ここからは平均勾配が緩くなるのか。
いや,山には(というか自然には)平均という概念はないからね。登っては降り,また登るの繰り返しだから。ここまでは登りのみだったけど。 神主山からの眺望はこんな感じね。これが眺望と言えるかというのは,別の話だけど。
● ここまで来る間に,ごみは1個しか見かけなかった。ティッシュが1枚落ちていただけ。皆さん,マナーはよろしいようだ。 ビニールや紙は自然界にはないものだから,そういうものは持ち帰って,ゴミステーションに出さんとね。この点では,富士山とエベレストの登頂者は世間に対して恥じるがよい。
放尿くらいはよろしかろうけどね。ぼくの糖分たっぷりの小便を栄養にして,スクスクと育ってくれたまえ,山の神よ。
● ここからはアップダウンがいくつも登場。頂上に着いたかと思いきや,その先があり,いったん降ってそれ以上に登るという。 こんなところを登っていく。しかし,総じて言うと,神主山から先は造作もないとまでは言わないけれども,けっこう楽ではあった。体が慣れるのかもしれない。あと,水が減るので荷物が軽くなるせいもある。
● これはハイキングなのか。ハイキングのイメージからはだいぶ遠いんだが。 といっても,これを登山というのは全く当たらないから,ハイキングでいいんでしょうな。けっこう難易度の高いハイキングではあるけどね。
● そうこうするうちに鳴虫山頂に到着。リベンジ成功。眺望はこんな感じ。 こんなに低い山なんだけど,頂上に着くのに3時間を要した。だいぶ遅い方だと思う。所要時間は歩行速度ではなく休憩の多寡で決まるから,頻繁に休憩したわけですね。 山頂では20分ほどグズグズした。包み紙に包まれたままのキャンディーが1個と若干のゴミがあったので,拾ってきた。
● 鳴虫山の頂上付近も杉や檜が植林されている。よくやったねぇ。金のためという動機は発奮力が強いんだな。
しかし,山が荒れるというか腐るというか。そういうことは感じた。だから植林は悪だというのではないんだけど。杉の根っこが地表に張っていて,おかげで歩きやすくなっているってこともあるし。
● 帰りはいま来た道を引っ返すのではなく,憾満ヶ淵の方に降りることにする。これは当然ね。誰でもそうすると思いますわ。 ところが,いきなり急勾配なんですよ。かなり本格的な階段が設置されている箇所もある。行くほどに思いましたよ。憾満ヶ淵の方から登っていたら,途中で引き返していたに違いない。ぼくほどのヘタレがこの道を逆に登って来れたはずがない。
● 合峰。これはどういう意味? 読んで字のごとしかね。分峰としてもいい?
山岳修行地でもあったんでしょうかねぇ。修行地というより修行後の寝ぐらがあったのかなぁ。
● “独標” を過ぎてしばらくしたところで,どうやらハイキング道から外れてしまったらしい。外れようがないところを外れてしまったわけで,どうしてなのかわからない。ハイキング道を示すテープを巻かれた樹木が倒れてあらぬ方向を示していた? 道なき尾根を降っていくことになった。なかなかにワイルドな。
● ほうほうの体で降ると沢に出る。沢に沿って行けばいい。沢には人が入っている。獣道のようなものだが,歩けるスペースがある。 麓に近いし,遭難などどいう大げさなことになる可能性はないけれども,道を外れたことにどれだけ早く気づいて修正できるかが大切ね。
● まともな道に出たときにはホッとしましたよ。これがハイキング道。 はい,憾満ヶ淵に降りてきました。やれやれだ。
降りにも1時間半を要した。道なき道を行くなんて場面があったしね。
途中,誰にも合わなかった。熊にも猿にも合わなかった。
憾満ヶ淵には今回も外国人しかいなかった。ここには外国人を惹きつける何かがあるんでしょう。化け地蔵なんか,彼らには興味津々の対象なんだろうねぇ。
● 憾満ヶ淵側の登山口はこんな感じ。日光市街側からはすぐに登りになるが,こちらは最初は平坦だけれども,この平坦さはごく短いからね。こっちから登るのはシンドいよ。
● 街歩きの格好で登ったんだけど,靴だけはね,トレッキングシューズというのか登山靴というのか,山登り用の靴を履いた方がいいね。ガレ場がけっこうあってスニーカーだと足首を捻りやすいのでね。道なき道を降るときに二度捻ってしまって,けっこうヒヤッとしたよ。
初めての山行きは単独行じゃない方がいいかもしれない。山登りが好きな人の多くは分裂気質で,孤独を愛する(あるいは孤独を苦にしない)のだと思うんだけど。孤独になれるから山はいいんじゃないか,と言われそうなんだけど。