北関東の芋っぽには,何だかんだ言って,上野駅はホームだ。「ふるさとの訛なつかし停車場」でござるよ。
日暮里,三河島,南千住,北千住。どれも魅力的なところだ。そうは思わない人も多かろうけど。
もし,東京に住めるなら,一番は墨田区だが,荒川区と足立区もいいなと思っている。遠慮なく言わせてもらえば,港区はバカが住むところだ。
● 荒川を渡り,中川を渡って,堂々たる構えの松戸駅に着く。この列車は快速なので,次は柏まで停まらない。
宇都宮線や高崎線には京浜東北線が並行して,細かく乗客を拾ってくれるが,常磐線は自らそれをやらなければならない。柏まで停まらなければ,立派な快速運転ということ。
退職組の “青春18” ならぬ “老春68” 族だろう。ぼくの同族。良い旅を。
成田線のうち,佐倉〜成田〜成田空港間は成田エクスプレスで乗っているが,それ以外は未乗。まず,我孫子支線から。
● 常磐線と別れるときは,地べたを走る常磐線を下に見るから,こっちが格上のような気がするが,もちろん,そんなことはない。新参者ほど上になる。
湖北なんていう雅な駅名もある。のだが,普通の新興住宅地。50年後には廃墟になっているかもしれない。総じて,丘陵地を坦々と走る。
● 乗客は寝てるかスマホを見てるか。今どきは珍しくもないが,外人さんともけっこう乗っている。彼らを含めて,生態は同じ。
人種民族を超えて,スマホは人々の生態を一変させたなと思いますよ。
ここから先はボックス席で景色を楽しみながら進んで行きますわ。ボックス席を1人で占領しながら,網棚に荷物を載せることを,ぼくらは全くしなくなったな,と思いました。
● 成田を出るとグッと鄙びた風景になる。均衡ある国土の発展なんてのを長くお題目にしてきたんだな,この国は。そんなことできるはずもないし,もしできていたら,つまらん国になっていたことだろうよ。
一方で,そのために鉄道や道路を張り巡らせたから,この程度の鄙びですんでるのかもしれない。
● ところが,佐原(サワラ)に至ると,がぜん様相が違ってくる。大げさに言うと,別の国に来たような。
違う文化圏に入った感じ。水郷文化圏とでも名付けたい。このあたりから茨城県の霞ヶ浦まで一体なのか。
12:58,銚子着。銚子でまず連想するのは,元巨人軍の篠塚がいた頃の銚子商業なのだが,そういうことはどうでもよろしいな。
ちなみに,マニアなら銚子電鉄などとっくに卒業しているはずだとも言われるらしい。こんなものに卒業もクソもあるか,このボケがッ,と言ってやりたい。
犬吠駅までのひと駅区間を歩いてみることにした。ちょっとだけ,ここにいないと来た甲斐がないと思ってね。この後,東金線にも乗るつもりだったのだが,東金線はいつでもいいかな,と。
● 復りは総武本線で。銚子発14:57の千葉行きに乗車。総武本線も佐倉までしか乗ったことがない。要するに,千葉にはほとんど来ていなかった。
総武本線は成田線より鬱蒼としたところを走るんだな。飯岡の手前でトンネルになる。そのトンネルを出ると一気に開ける。が,人の乗降があるのは飯倉からチラホラと。
● 線路はずっと単線のまま。成東を過ぎても単線。佐倉まで単線なのか。東金線が分岐する成東も想像していたより鄙びたところでした。
こんなものか。総武本線は長大なローカル線なのだった。千葉は広いのだ。県都の千葉市の他,内房線と常磐線沿いの都市部。それ以外の広大な田舎。
16:15,佐倉着。総武線も完乗。成東に引き返して東金線に乗って行くかと思ったのだが,その気力なし。千葉まで乗って,蘇我から潮見のホテルに戻ることにする。
● 千葉駅は巨大だ。4年前に千葉都市モノレールに乗りに来た。そのときにも驚いたものだ。
新幹線はないのに,これだけ巨大なのは何事ならん。こんな巨大駅からは早々に撤退することにする。16:38発の君津行きに乗車。久里浜か逗子から来た15両編成。ふた駅で蘇我。
千葉県も千葉市に一極集中か。どの県でもそうで,それでいいんだとは思うんですけどね。
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