2021年4月3日土曜日

2021.04.03 プリンス潮見,2泊目

● 昨日(2日)の夜はプリンス潮見のレストランで夕食を摂った。といっても,ソーセージを肴に酎ハイを飲んだのだ。ホテルレストランを居酒屋にしてしまうダメンズと言われそうだ。
 その後,パスタで腹をふさいで,約5千円。が,実質はタダ。ホテルが宿泊者に5千円の金券を渡している。それで飲み食いしてるんだから。

● しかし。このやり方はやめた方がいいと思う。つまり,5千円の金券を渡すのをやめた方がいいという意味なんだけど。
 なぜかというと,金券を使って飲食するお客を想定してメニューを作っているように感じたからだ。ありていに申しあげると,金券を使うんだからこの程度でいいだろうという料理のように思われたからだ。

● 昔,みなとみらいの某ホテルで同じ思いをしたことがある。こうなるなら,こんな客寄せプランはやめればいいのに,と思った。20年近い昔の話だ。それ以来,件のホテルには行っていない。
 こういう状況なのだから,集客のために身を切るような思いをしているのだと思う。相手がコロナとあっては,できることも限られる。
 しかし,下手に動くよりも,何もしないでジッと我慢をするという一手を指すこともあっていいのではないか。

● 客の側から言うと,この5千円の金券をどう使えばいいかという問題になる。レストランではなく,クッキーやレトルトカレーも販売しているから,それらを買うのがいい。
 あるいは,11時までのチェックアウトのところ,千円追加で12時まで延ばしてもらえるから,そうしたところに使うのが賢いのではないかと思う。

● さて,夜が明けて今日になった。カジュアルなホテルの朝食。卵料理だけは3つある(プレーンオムレツ,目玉焼き,スクランブルエッグ)ので,今日は目玉焼きにした。
 モスバーガーのモーニングセットの高級版のように思えてきた。てか,モスがあのセットをあの価格で提供しているのを脅威とすべきなのだけどね。

● 朝食後は,1階ロビーのテーブルでWALKMANを充電しつつ,手帳とノートを散らかして・・・・・・
 ほどよい雑踏感があって,落ち着く。この開放的なスペースはありがたい。部屋にいるより快適だ。超のつく高級ホテルじゃこうは行かない。回転寿司には回転寿司の良さがあるってことなんだよね。

● ロビーにいて面白いことはもうひとつあって,それはピープル・ウォッチングだ。昔は “ホテルの宿泊者・利用者=お金持ち=自分とは違う階層の人” という前提で,違う世界に住む人たちの佇まいを見るという面白さだったが,今は不審な男女を眺める面白さがある。
 夫婦ではなく,若い未婚のカップルでもない,かなりの年齢差がある男女。年上男と年下女に限らない。逆の場合もけっこうある。
 パパ活中の女と客の男というふうにも見えない年の差カップルを見て,あれこれと想像を逞しくする,あまり上品とはいえない遊び心(?)を満たすことができる。

2021年4月2日金曜日

2021.04.02 韓国文化院

● 昨日はJRの都区内パスで都内をフラフラした。今日はメトロの24時間券でフラフラしようと思う。
 ので,ホテルがある潮見から豊洲まで歩いた。豊洲から有楽町線で銀座1丁目。銀座LoFtを覗いて,そのまま並木通りを歩いていく。

● ユニクロ。贅沢なモデルを使ってるねぇ。銀座にユニクロって合わないでしょと思って,ずっとスルーしてましたよ。ところが。合わせ方ってあるんですねぇ。
 いや,素人の発想は地表から1㎝しか浮いてないのに対して,玄人は100mも上空を行くというこってすな。

● 銀座から丸の内線に乗った。中野坂上で方南町行きに乗り換えた。方南町に用があったわけじゃ,もちろんない。この枝線に乗って,丸の内線の全線に乗っておきたかったっていう,それだけのことなんです。
 地下鉄でこういうのってあまり意味ないと思うんだけど(地下を走っているんだから景色がない),そこに線路がかるんだから乗らないとね。

● というわけで,方南町にやってきた。せっかくだから駅の近くを歩いてみた。厚みのある街だと思った。ひょっとすると,かつては色っぽいところだったのかと思ったのだが,そういうわけでもなさそうだ。
 駅の近くの吉野家で,牛丼並と生卵。いや,吉野家,最高です。旨いです。

● こんなニュースを見た。「慰安婦=性奴隷」否定論文に対して,行動しちゃう人たちの紹介。付ける薬がないほどの大馬鹿だよねぇ。言論には言論で応じればいい。まして論文なんだから,論文で反論すればいい。
 しかし,この種のニュースはもう見飽きたというか聞き飽きたというか,韓国人じゃしょうがないわという感じがしちゃう。こういうのが状態の国は,極端から極端に簡単にブレると思いますよ。大脳を通さないでその時その時の空気に脊髄反射で反応しちゃってるわけだから。
 ところが,フィラデルフィアで市議会が論文非難の決議を採択したらしい。これはどういうことか。アメリカの表現の自由は張子の虎か。ま,この愚かさが人間だね,とも思うんだけどさ。

● ま,そういうことはあっても,地政学的にいえば,韓国は中国に呑み込まれていてもおかしくなかった。けれども,民族も言語も文化も中国とは別個のものを保ってきたのは奇跡に近い。特に食文化の豊穣さには端倪すべからざるものがある。
 というわけで,方南町から丸の内線で四谷3丁目駅に戻って,駐日韓国大使館の韓国文化院にお邪魔した。

● 1988年のソウルオリンピックの数年前から,日本でも空前の韓国ブームが起きた。ぼくなんかもこのブームに踊っちゃった方でね。
 仕事を辞めて大学に戻って韓国語と韓国史を勉強して,韓国に仕事を求めようかと考えたほどだ。韓国語学科のある外語大学を調べて(東京外大なんて入れっこないんで,除外)募集要項を取り寄せるところまで行った。
 が,そこで踏みとどまったのはわれながら正解。あそこから先に進んでいたら,ぼくの人生は破綻していたと思う。
 だから,人の幸不幸なんて紙一重のところで決まるものだと思いますよ。能力とか学歴とか関係ないね。9割は偶然じゃないですかねぇ。

● フリーで入れる。チェックは何もない。入ると,カウンターにいる2人の女性スタッフが流暢な日本語で挨拶してくれる(彼女たちが韓国人だと決めつけているわけだが)。ホテルのロビーに来たみたいだ。
 1階はギャラリーになっている。韓国といえばこれでしょと言いたくなる白磁がガラスケースに入って飾られている。ひと目,洗練されすぎている。“芸術” を意識してしまっている。民藝的な視点からすれば,これじゃないでしょってことになるだろう。
 他にも,美術作品が展示されている。韓国映画や歌謡などのPRパンフなんかもどっさりある。

● 3階は図書映像資料室。図書室だ。とにかく静かで,ここで勉強するとハカが行くだろう。女子高生2人がそういう使い方をしていた。ここ,穴場かも。
 あと,男性の若者が2人。彼らは韓国語の本を広げていた。幼児の遊び場を備えた部屋もあって,そこにも人がいるんだけども,音を立てない。静かだ。ひょっとしたらサクラなのかと思うほどだ。

● 韓国を扱った日本語の書籍と韓国語の書籍が並んでいる。韓国語の書籍は読めないわけだから,ぼくにとってはないも同然なのだが,日本語で書かれた韓国本がこんなにあるのか。
 学術書から旅行案内まで。ソウルオリンピック前の韓国ブームのときには夥しい韓国本が出版されたが,それらも書架に並んでいる。ぼくが読んでいるものもある。
 その量たるや凄いものだが,おそらくここにある書籍の大半は,今となってはゴミに違いない。そう思って見るせいか,その量に圧倒されてたじろぐということにはならない。皆さん,ご苦労さんでした,といったやや斜に構えた見方になる。

● 京橋に三中堂という韓国専門の書店があった。栃木から何度通ったことか。だいぶ買いためたものだが,この図書室の書架を眺めながら,そのことを思いだした。
 三中堂はその後,阿佐ヶ谷に移転し,移転後は一回だけ訪ねたことがある。今でも健在なのだろうか。と思ってググってみたら,神保町に移って営業を続けているらしい。

● 4階には韓式庭園と韓式座敷がある。都心とは思えない静寂さとは,よく使われる常套句だが,ここはまさにそれ。
 訪れる人も少ない。静かにもの思いに沈みたいときには,ここに来るといいのではないか。国のショールームなのだから,スタッフも丁寧かつ慇懃で,不快な思いをすることもない。

新木場駅
● 四谷3丁目からまた丸の内線。赤坂見附で銀座線に乗り換えて,銀座に。丸の内線に乗ったままでも銀座に来れるんだけど,ぼく的には銀座線に乗換えるのを推奨。
 銀座1丁目から有楽町線。新木場まで乗って,歩いてホテルに帰還。
 東京って色々あって面白い。回遊するのにこんないいところはない。

2021.04.02 東京ベイ潮見プリンスホテル

● 正式名称は長いのでプリンス潮見と書くことにするが,昨年オープンした新しいホテルで,宿泊するのはこれが二度目。
 潮見駅前はホテル通りになった。プリンス潮見,ホテル櫂会,ホテルリブマックス,アパホテルの4つが並んでいる。その三方を,遠く近く,マンション群が取り囲んでいる。

● 舞浜が近いからディズニーランド客を取り込めるし,東京オリンピックもあるしというわけで,急ピッチで建設を進めてきたのだろう。が,コロナという誰もが毛ほども考えなかった要因によって,すべてが裏目に出た。
 ディズニーランドのイクスピアリもかなり悲惨な状態になっている。三密を避けよというわけだから,人が集まるところほど打撃が大きい。その筆頭がディズニーランドだが,元に戻れるんだろうか。
 いずれはワクチンが行き渡る。そうすればインフルエンザと同じになると言われている(死亡者数から見ると,最初からインフルエンザと同じなのだが)。指定感染症からも外れるだろう。そうなると元に戻るんだろうか。

● 昨日チェックインして,通されたのは617号室。朝食付きで11,200円。
 しかも,1チェックイン(1泊ではなく)につき,5,000円の金券が渡される。ホテル内のレストランや売店で使える。ホテル側が自己負担でGoToをやっているようなものだ。消耗戦という印象になる。生き残りをかけた体力勝負。

● とりあえず,部屋でトリハイを。ファミリーマートが敷地内にある(ちなみに,櫂会とアパホテルにはローソンが入っている。というところからも,ディズニーランドに来る家族連れを当て込んでいたのだろうなと思える)。そこでトリスのポケット瓶と炭酸水と肴を買えばすむ。
 こうするのが安上がりなうえに安全だ。コンビニ居酒屋で充分だよなと思いますよ。これを自宅でやると貧相に思えてしまうけれども,場所を変えると全然OKなんだよね。

● しかも,このホテルはサウナとフィットネスジムが自由に使える。ホテルのサウナって,カウンターで受付をして,キーをもらってっていう煩わしさがあるけど,ここはそういうのがない。銭湯にでも行くような気安さ。大衆性を極めていて,ありがたいや。
 それゆえか,看板も「大浴場」となっている。スパとか,
 部屋からパジャマ&スリッパで行ってもOKということになっている。他のホテルでもたとえばプールに行くときには部屋で水着に着替えて行ってもいいのが共通ルールだと聞いたことがあるんだけども,そうしている人とエレベーターで一緒になったことはこれまで一度もない。

● プールのような大浴場に掛かっている絵は,銭湯画の現代版? 富士山が描かれ,大きな鯉が踊り,波は「まんが日本昔ばなし」のオープニングに出てくる龍のようだ。この絵を眺めるのが,じつは楽しみの1つだったりする。
 というわけで,夕方と夜,2回もサウナおやじになって来ましたよ。

● 一夜明けて。プリンス潮見の朝食。自分で取っていいのは,ドリンクだけ。あとはスタッフが持ってきてくれる。メインの卵料理以外はお代わり自由だけれども,スタッフにお願いしなければならない。
 自分自身選べるときは和食になりがちなんだけど,ここには和食メニューはない。が,パンにコーヒーも悪くないな,と。お値段は2,700円(+税)。

● 相方はやや不満気だ。何が不満かといえば自分で自由に取ってこれないことと,品数が少ないこと。ロイヤルパークの「シンフォニー」で食べるのと値段はそんなに違わないんだよ,と。
 が,不自由には不自由なりの良さがある。第一に,サーブしてもらうと盛りつけのキレイな皿がやってくる。
 第二に,自分で選ぶと自分の惰性的な好みの外に出るのが難しいが,選択の自由がないと好みから逸れることできるから,意外な発見に遭遇することがある。

● プリンス潮見はリゾートホテルを標榜しているのだろう。そのせいかどうか,部屋にデスクはない。デスクの代わりになる小さなテーブルはあるのだが,そこでパソコンと資料を広げて作業するのは無理だ。ぼくなんか,それを使って部屋飲みをしてるんだけど,部屋飲みするにも手狭なくらいだからね。
 が,1階ロビーにスタバスペースがたくさんあって,パソコンを使うこともできる。コンセントとUSBの電源も取れる。
 使ってみたい気持ちにさせる。ホテル側としても賑わいを作る手段になるんだろうか。

● さて,そろそろ出かけるとする。今日も東京のそちこちを回って来ようと思っている。

2021年4月1日木曜日

2021.04.01 東京周遊

● JRの都区内パスを買って,浅草橋駅。この駅で降りるのは初めて。
 活気のある下町。下町の特徴は女たちが溌剌としていることだ。と言うと,日本全国どこでも下町になってしまうのだが。
 日本人じゃない女たちも元気に商売していて,少しカオスっ気があるのもいい。

● ここから柳橋の日本文具資料館までは歩いてすぐ。そこを見学(?)してから,浅草橋からひと駅乗って秋葉原。
 久方ぶりに電気街口に出てみた。コロナは関係ない。活気がある。初心者は,結局,ヨドバシに回ることになるんだけど。そして,見るだけで出てくるんだけど。
 パソコンもスマホもそんなに頻繁に買い換えるものじゃないからさ。それから,そんなに突出した吸引力を持つ製品もなくなっているしね。

● ちなみに,都区内パスのようなフリー切符の利点のひとつは,ひと駅でも乗るところだ。正確には,乗った後にひと駅でも降りることができるところだ。
 普通に切符を買うとなると,運賃が割高になることを考えてしまって,それができない。途中下車をしない。
 料金を気にせず,ひと駅で降りられるのが,フリー切符のありがたいところ。結果的に行動量が増える。 

● いつまでも発展途上で,完成を頑なに拒否している施設は,東京ディズニーランドと渋谷駅をもって双璧とする。
 ディズニーランドはともかく,渋谷駅にはいったん完成してもらって,しばし動きを止めてもらいたいものだ。

● 渋谷から東急田園都市線で駒澤大学。駒澤大学といえば駅伝をイメージするが,禅文化歴史博物館を見せてもらいに来た。
 が,拝観を中止していた。職員と学生以外の入構を禁止している。職員も体温測定される。気づくべきだった。
 職員の方ですね,と言われたんで,そうだと答えて入ってしまえばよかったか。ダメだよね。警備員の対応はきわめて紳士的で,さすがは駒澤大学ですよ。

● このあたり世田谷区になる。世田谷っていうと高級住宅街のイメージがある。このあたりもそうなんだろうか。
 ここにもし住まなければならないとしたら,車は持ってはいけないな。相当に運転しづらい。車を持つことによってむしろ行動力が抑制されそうな気がする。徒歩と公共交通機関で何とかするのが正解。しかし,その歩道も意外に歩きにくい。自転車が多いからだ。

● 渋谷に戻って,岡本太郎「明日の神話」の前にしばらく立っていた。これ,不思議な作品でね。ポンチ絵と見れば見れなくないし,基調は暗いんだけど,とんでもなく力があって,絵からシャワーが出ている。
 そのシャワーを浴びたくなることがある。そうなるとこの場所に来るしかない。

● 渋谷から山手線で新橋。「かのや」で昼食。ちくわ天うどん,420円。
 このたりはいつもの自分。立食いそば店は落ち着く。自分がいるべき場所だという安心感がある。

● 銀座を歩くことにする。LIONで黒ラベルを半額で提供中。LIONのローストビーフで黒ラベルの生,かなり上質な贅沢だと思うですな。素通りしたけど。
 蔦屋書店の文具売場と伊東屋を覗いて目の保養をしてから,東京駅へ。丸の内の「グランスタ」にあるトラベラーズファクトリーでさらに目の保養をして,ホテルに戻った。


2021.04.01 生涯で最も優雅な4月1日

● ホテル櫂会での朝食。こんな優雅な4月1日があったろうか。浮き世から離れていることを実感。そうなりたいと思っていたから,夢が実現したのでもある。
 が,この優雅さは短期間しか継続しないところが,まぁ冴えないっていうか,リアリティーがあるっていうか。

● ただ,朝食も品数が減っている。これだけコロナが続いて,再びの緊急事態宣言が出されて,さらにそれが延長されてとなると,こうなるしかないのだろうかなぁ。
 和食で完結させようとしたんだけど,ちょっと厳しかった。しかし,それでもこんな4月1日が自分に来るとは考えたことがなかった。

● 部屋に戻る途中の2階中庭でロビーを見やりながらボーッとするのも一興。
 ホテルのスタッフはおそらく通年採用だろうけれども,今日から勤務に就く新入社員もいるんだろうかなぁ。今の新入社員は期待に胸踊らせることがあるんだろうか。ぼくらの頃は不安と期待というのがたしかにあったと思うんだけど。
 自分はそういう世界から離れてしまったので,こうして傍観者でいられるわけだが,かすかな寂しさのようなものも感じる。けれども,あの世界に戻っても何の役にも立たなくなっているだろうな。

● ホテルの6階に飾ってある「長寿の時」というタイトルの絵画。あんまり長寿じゃなくていいよね,と相方と意見が一致した。
 人生百年時代と言ったって,90年も生きてはたぶん生きすぎだ。それでは,支える側の社会も大変だが,それ以上に本人が辛くないか。
 過ぎたるは猶及ばざるが如し,ではない。過ぎたるは及ばざるに劣る。死時をやり過ごしてしまうと,手痛い目に遭うことになりそうな気がする。

● 細かい話。男性がホテルに宿泊する場合,最も困るのは髭剃用のカミソリではないかと思う。かなりのホテルに泊まっても,ここだけはどうも不満が残ることがある。普段使ってるのを持参しようと思うことがある。
 櫂会では,そこは安心できる。1週間くらい剃ってなくても,問題なく剃り落とせる(と思う)。

● ホテル櫂会から隣のプリンス潮見に移動。とりあえず,荷物を預かってもらおうとしたところ,何と部屋の用意ができているとのこと。
 ありがたく部屋に入って荷物を整理し,でも,すぐに出かけた。
 ちなみに,日中は夫婦は別々に行動するものだ。ベタッと一緒にいないことは夫婦円満の最大かつ唯一の秘訣であろうよ。

2021年3月31日水曜日

2021.03.31 相方の退職の日

● 相方が定年に6年を残して今日で退職。限界だったようだ。体を壊してまでやるに値する仕事などこの世に存在するはずがない。無理をすることはない,辞めたらいい,と単純に思う。
 ぼくのヒモ暮らしも1年で終わってしまった。4月からは切り詰めた暮らしをせねば。何せ,ぼくの月10数万の年金でやっていくのだ。
 蓄えも多少はある。付き合いだとか,夜遊びだとかをする年齢でもないので,つましくやれば何とかなると思っている。

● かつて話題になった,年金以外に2千万円の金融資産が必要というのは,標準世帯というのを基準にしている。標準世帯では奥さんが専業主婦なのだ。
 今どきそれを標準にするのも時代がかっていると思う。標準世帯にピッタリはまる例はむしろ少ないのではないか。
 医療については国の制度が手厚い。これでいいのかと思うほどに手厚い。ゆえに,保険会社が勧めてくる医療保険になど入る必要はない。保険会社を太らせるだけの話だ。老後のお金は有効に使わなければならない。

● そういうことはともかく。つましい暮らしに入る前に,相方のお疲れ様でしたのイベントをこれからする。
 といっても,ぼくが企画したわけではなく,相方が自分で決めたことなのだが。
 区切りの東京行きだ。安いホテルに1週間ほど泊まる。疲れを全部取ってもらおう。

● 途中,東京駅で降りた。八重洲南口の高速バスターミナルを眺めて過ごした。
 コロナで苦境にあるのだろうけど,それなりに活気もある。ひと頃は,夜行バスの多くはLCCに取って代わられて全滅すると言われたこともあったが,LCCがひと足先にコロナで倒れてしまった。
 業界の中でも明暗がある。いや,明はないのだろうが,暗の濃さが違う。

● 京葉線の地下ホームに向かう途中の広告。じつは今夜はこのホテルに泊まるのだけども,何,これ? と思わせる。
 いや,オートキャンプ場で行われているキャンプなるものも,似たようなものかもしれない。あれ,たぶん,キャンプごっこなんだよね。家でやっていることをキャンプ場でやっているだけの。子どもを巻き添えにした,大人のままごと遊び。
 なら,ホテルでキャンプの真似事をする方が,いっそ潔くて清々しい。

● 潮見のホテル櫂会。去年の6月からけっこうお世話になってきた。今回は701号室。ぼくらの身の丈に合ったところでゆっくりしようと思う。
 朝食付き,冷蔵庫の飲物フリーで9,455円。相方情報によると,3月31日はどのホテルでも安い宿泊プランが出るのだそうだ。コロナの有無に関係なく,この時期は閑散期になるわけだろう。加えて,緊急事態宣言の名残りもあるかもしれない。
 4月からは同じプランが19,000円になる。とはいえ,その価格を維持できるかといえばかなり疑問だ。業界の苦境は続く。

● 冷蔵庫の中の飲物がタダなので,ビールをチビチビ飲みながら,潮見駅のホームを眺めている。竜宮城にいる浦島太郎の気分だね。

● ホテルのメインダイニング「アンサンブル」で夕食。この分は宿泊料には含まれていない。が,以前に泊まったときに,食事券をもらっていたのだ。そろそろ使用期限が近くなったので,使わせてもらった。つまり,この夕食はタダ。
 手袋をはめてのバイキング。自分では絶対に作れない料理が数々あるわけだが(以前に比べると,品数が減っているのは致し方がないところか),一番旨かったのは,前菜のイカのマリネ。

● ワイングラスごしのピアノ演奏。「桜坂」とか「赤いスイートピー」とかじゃなくて,もっと弾きたい曲があるのかなと思ってみたりもするけれど,そこはプロだもの,場に合わせるだけですわ,だろうな。
 お客さんがみな帰り,ぼくら2人が残った。この後,もう一回演奏があるらしい。ではというわけで,その演奏が終わるまでいることにした。最後の演奏は貸切で聴けたわけだ。だから何がどうということではないのだが。

● ジュースはテイクアウトも可。「アンサンブル」と客室棟を結ぶ2階通路(中庭)で,ガメてきたジュースを飲みながら休憩。この光景も悪くない。
 寒い時期以外なら,この時間帯に外の空気を呼吸しながらボーッとするのは贅沢でありましょう。

● このあと,ホテルを出て,外を歩いてみた。汐見運河を散歩。21時を過ぎているのだが,この建設会社の灯りは煌々と点っている。建設会社は特に年度末が最も忙しい時期かもしれない。
 いや,建設会社に限らず,普通に見られる光景ではあるなのだが,ここまで働いても日本人の生産性はイタリアに及ばないと聞いたことがある。

● 一方,汐見運河では釣り糸を垂れている人もいる。対象的だ。
 少し前までは,遅くまで忙しく働いている人が人生の勝ち組で,趣味に走っているのは引退したロートルか,悟りを開いてしまった人(つまり,負け組)と見られていたのではなかったかと思うのだが,どうなんだろうかなぁ。
 君たちの娯楽は仕事なのかね。なら,いいんだが。でもさ,この時間に夜釣りを楽しんでる人もいるんだぜ。どっちの人生がいいかね?

● 京葉線で東京に出て,令和2年度最終日の東京駅丸の内広場に行ってみた。格別のこともなし。あたりまえだ。