2025年7月5日土曜日

2025.07.05 青森最終日

● 朝は梅雨っぽい感じの空だったのだが,日中になったらこの有様。それでも,今日の最高気温は鹿児島と名古屋が36℃の予想。宇都宮は34℃。ちなみに,那覇は32℃なのだな。
 青森は28℃。だいぶ涼しいのではあるが,太陽光は刺すように強い。

● 青森最終日。魚市場の丸青食堂。ホッケ焼き定食。ひと口食べたところで写真を撮った。
 金に糸目をつけないという方針ならば,ぼくの地元の栃木でも青森クラスの刺身は食べられるかもしれない。ひょっとするとね。
 けれども,これほどのホッケや銀ダラの焼きものは,絶対に地元にはないという確信がある。

● サービスの鮪のたたき。本鮪だ。グラスの酒は注文した田酒の特別純米。お猪口はサービスの純米吟醸。
 お店の人とは仲良くなっておくものだ。その前提として,通って顔を憶えてもらうこと。

● デザートはAファクトリーのリンゴ飴。カットしてない丸ごとのやつもある。
 結局,ぼくにとっての青森は,おさない食堂,丸青食堂,Aファクトリーの黄金のトライアングルなのだな。そのルートから外れたところは,ほぼ未踏の地。永遠に未踏の地であり続けるような気がする。

● 最高の観光資源は食なのだ。歴史や神社仏閣や自然景観じゃなくて。
 頭脳ではなく,胃袋に訴えるものが強いのだ。青森はとんでもない強みを持っている。

● 最終日も大満足。次は11月の末になる。つまり,次の「大人の休日倶楽部パス」が使えるのがその時期なので。
 新幹線はとにかく速い。長距離の移動が格段に楽。遠くへ行くばかりが旅ではないとはそのとおりだと思うが,一方で,旅の興感は物理的な移動距離に比例するのも本当だと思う。
 仕事で新幹線をあたりまえに使っている人もいるだろうが,そういう人の世界観はぼくのそれとは違っているんじゃないか。
 ともあれ,鉄路恙なく,時刻表と1分も違わず,宇都宮に帰着。

● 新幹線はグリーン車にしか乗らないと決めている人もいると思う。新幹線もすっかり大衆化して,普通車では不愉快な思いをすることがある。乗車時間が長く,勝手に移動もできないから,その状況に遭遇するとけっこう以上にキツいだろう。
 JR東日本の新幹線は,グリーンの上にグランクラスがあるが,当然,収入格差を前提にしたものだ。さらに,収入が多い人の方がマナーもいいだろう,という仮定を置いている。

● グランクラスになると “貧乏人がたまにする贅沢” の範疇に属するものだと揶揄したくなるが,基本,金持ちの方が貧乏人よりマナーはいいと,誰もが思っている(たぶん)。
 傍若無人な金持ちは,映画やドラマでは必須の存在だが,リアルはそうじゃないからこそ,圧倒的多数の貧乏人の溜飲を下げさせるために必要とされる。

● 何を言いたいかというと,自分もグリーン車に乗りたいけれども,さすがに無理だよなぁってことね。
 そもそも,新幹線に乗るのは「大人の休日倶楽部パス」を使えるときだけだからねぇ。

2025年7月4日金曜日

2025.07.04 青森王だ

● 「大人の休日倶楽部パス」を二度使って,青森に合計7泊。明日,帰るのだが,駅周辺で沈没していた。おさない食堂と魚市場の丸青食堂にしか行っていない。食べるのも飲むのも,この2つ。
 あとはホテルで寝転がっていた。にもかかわらず,俺は青森王だくらいに思っている。

● 朝兼昼食は今日も丸青食堂で。ホタテフライとクリームコロッケ定食。田酒(特別純米)を飲むのもお約束。サービスで豊盃(弘前の酒)も。
 肝臓は大丈夫か。朝からこの店で酔いどれたいが,さすがに正気を保っているぞ。


● Aファクトリーにも行ったな。このリンゴ飴は喰わざるべからず。皮の部分に飴を塗ってある。作りおきはできないはずだ。
● 夕方はホテルでリンゴとリンゴジュースを胃袋に収めてから,バーに移動して田酒(特別純米)を肴なしで流し込む。
 が,いかな田酒でも旨い肴があった方がいいに決まっている。

● おさない食堂でホタテ鍋定食,1,600円。イカメンチ,900円。これで田酒をやりながら,カラッ酒など飲むんじゃなかったと後悔する。
 鍋の汁が身体に染みた。これだけで肴になるし,残った汁をご飯にかければ最高の汁かけ飯の完成だ。
● 昨日,お客の過半は外国人と言ったが,今日はザッと見たところ,ほとんど外国人だった。大半は東洋系で,白人がポツポツと。
 インバウンドが日本の地方の食堂を支えていると見ればいいのだろうか。さしもの「おさない食堂」も,彼らなしには経営が成り立たなくなっている?

● あるいは,彼らが日本人を遠ざけてしまっているんだろうか。外国人がワンサカ来るために,日本人の座る席がなくなっている?
 しかし,彼らのマナーや食べ方に,日本人の眉を顰めさせるものがあるとは感じない。たぶん,ユダヤ系じゃないかと思われる若い男性がひとりで来ていたのだが,上手に箸を使ってひと口ひと口味わうように食べていた。日本の食文化に興味を持ってくれてありがとう,と礼を言いたくなった。

● 4月の値上げが影響しているとは考えづらい(行列の長さは若干短くなっているようにも感じるが)。焼魚定食やカレーライスなどの,元から安価だったメニューの価格は据え置いているのだから。ジモティー対応はキチッとしている。
 のだが,とにもかくにも,インバウンドの潮流は相当に強いようだ。

2025年7月3日木曜日

2025.07.03 田酒天国

● 午前8時20分の青森駅。ラッシュとは無縁。この世の天国ではないか。
 青森のセンターは駅周辺ではないのかもしれない。ビジネス街は駅から延びる「しんまち通り」の南を走る国道沿いのようなのだが。

● 魚市場の丸青食堂。ホッケ焼きで田酒。こんな贅沢がこの世にあっていいんだろうか。田酒も旨いが,それ以上にホッケが旨い。
 スタッフのお嬢さんは,青森を何もないところと謙遜していたが,そんなことはない。こんなに旨いホッケを食べさせるところは,たぶん,青森の他にない。

● 早い時間に来たので,1日50食限定のカレーがまだ残っていた。食べてみた。550円。
 これも旨いが,ホッケの感動はない。そりゃそうだ。これは学生定食のようなもので,大人に注文してもらうためにあるのではない(と思う)。

● 青森に来たら,これも外せませんね。Aファクトリーで食べるリンゴあめ。
 もちろん,デザートにもいいんだろうけど,何ならこれだけで1食になる。

● 湾岸道路(?)を歩こうと思う。じつは昨夜も歩いてみたんだけど,ソチコチからドン,ドン,ドドドン,ドドンッ,と太鼓の音が聞こえてきた。ねぶた の練習をしているらしい。仕事を終えてから,チームごとに集まってやっているようだ。

● 湾岸道路の終点。ここから向こうに見える公園まで行ける。ので,行ってみることにした。
 海側から青森市の市街地を見るとこんな感じになるのだな。

● 突然の雨。ちょうど,屋根のあるベンチに辿り着いていた。ラッキー。雨は数分であがった。

● 何もしていないときの,ぼくの定位置。魚市場の “お休み処” でボーッとする。これが何よりの悦楽だったりする。

● ホテルのバー。田酒のねぶたラベルだそうだが,ねぶたラベルがそも何者かがわからない。
 が,田酒の純米吟醸のひとつであろうと思われる。肴要らず。が,チェイサーの水は要る。

● 田酒を引っかけて,おさない食堂へ。イカの漁師焼き定食,1,500円。イカメンチ。さらに田酒(特別純米酒)を1合飲む。
 1,300円の差しかないなら,ホタテ組合せ定食にすべし。イカ好きなら話は別だが。
 お客の過半は外国人観光客。バアちゃんスタッフが何事もないかのように捌いていく。ニッポンのバアちゃんを舐めるなよ。

● ホテルに戻って,リンゴで胃腸を整える。世界は完結した。

2025年7月2日水曜日

2025.07.02 龍宮城へ

● 東京駅新幹線ホーム。また,青森に行きます。待ってろよぉ,田酒とホタテ。待ってろよぉ,焼きホッケと銀鱈。待ってろよぉ,イカの一夜干しとリンゴ。
 待ってろよぉ,オレの龍宮城。今から行くぞ。

● 東京駅から下りの「はやぶさ」に乗るのは今日が初めてではないけれども,大宮を出ると次の停車駅は仙台です,には感動がある。宇都宮にも郡山にも福島にも停まらないのだ。
 仙台の次は盛岡。盛岡から先は各駅に停まるタイプなのだが(最速の「はやぶさ」ではない),本来これは盛岡以北に住む人たちのための新幹線だと思えなくもない。

● しかし,乗客の主力は仙台に用がある人。仙台でドッと降りる。乗ってくる人はあまり多くない。現実はそういうことだよね。

● 二戸に到着。けっこうな雨。ところが,八戸まで来ると,降ってない。青空が出ている。
 局所的な雨だったのか,一時的な雨だったのか。こういうの,何だか嬉しくなる。

● ぼくが乗っていた車両で,新青森まで乗っていた人は10人。これって,盛岡以北の新幹線は要らなかったってことじゃないのかねぇ。
 その代わり,在来線を東北本線のまま,JRに持ってもらってた方が良かったんじゃないのか。青森には空港もあったんだし。LCCじゃなくても,飛行機の方が安くない?
 そういうことじゃないのか。そんな単純な話じゃないのか,青森にとっては。

● 新幹線は速いし,快適だけども,唯一,Wi-Fi が極めて遅くて不安定。仕方がないのかもしれないけどね。新幹線の車中ではパソコンやスマホで遊ぶんじゃなくて,静かに読書して過ごすのが最善かもしらんね。
 これって,飛行機も同じ。飛行機の場合は,Wi-Fi につながること自体が僥倖に属する。本を読むか寝るかだな。

● ともかく,青森龍宮城に着いた。宿は駅ビルの4階から上に入居している ReLabo。
 青森にいる間は,極端に言うと,おさない食堂と魚市場の丸青食堂にしか行かない。駅から半径200メートルが,ぼくにとっての青森だ。
 龍宮城を満喫するにはエリアを限って,そこに入り浸ることだと心得ている。そのための拠点として,ReLabo の立地は申し分ない。

● まずは,ReLabo のラウンジでリンゴとリンゴジュース。旨いぜ。
 そうして,おさない食堂。わずか数日前のことなのに,この行列が懐かしい。帰ってきたという気がする。

● ホタテ組合せ定食。ホタテの刺身(ヒモサシも付いている)とバター焼きがこれでもかというほどに出てくる。これで2,800円。あり得ん。
 田酒を2合。それをホタテの刺身でやる。これ以上の至福があったら教えて欲しい。

● ちなみに,焼魚定食,煮魚定食もあって,それらは850円。カレーは550円。ジモティーはこちらを頼むのだと思う。
 ホタテ,ホタテと騒いでいるのは,他所から来た観光客だけかもしれん。ジモティーにとっては,ホタテの旨さは日常性に染まったあたりまえのものとして存在するのだろうから。